<[2-c]2世帯住宅-完全分離型-左右分離メゾネット方式>
両世帯の環境を平等に
世帯を左右に分離してそれぞれの世帯が2階までを使用する、いわゆる「長屋」型式です。
両世帯に階段があるために戸建て感覚で生活することが可能です。
世帯が上下階で分離されないために、歩行音などの消すことの難しい『重量衝撃音』による
世帯間ストレスが生じないことが最大のメリットです。
廊下や階段などの移動のために一時的に使用する空間を世帯間の界壁側に設けることで、
更に音に対する諸問題を解消することが可能です。
このように遮音、防音を優先したい場合には最も有効な形態だといえます。
また[2-b:上下階分離内階段方式]同様、世帯間の界壁に施錠可能な入り口を設けておくことで、
年配世帯の介護が必要になった場合や、一つの世帯として一体で使用したい場合等にフレキシブルに対応でき、
将来の様々な生活形態の変化に対する改築も比較的容易なのがメリットです。
形態上、両世帯の採光や通風などの住環境を概ね平等にすることが可能なので、
敷地が周囲よりも低く囲まれている等で、一階の条件があまり好ましくない場合にも有効です。
しかし他の方式よりも階段スペースに面積がとられてしまうため、狭小地にはあまり向きません。

▲完全分離型 中庭による世帯間の距離『本の栖』
以上が主な完全分離3タイプとなり、戦後の世代間の価値観の相違や、世帯間の生活時間の違いを考えると
最も無難な型式といえます。
そして、ガス、水道、電気などの公共料金があらかじめ分けられていることは、意外と気付かないメリットかも知れません。
元来2世帯住宅に生じうる金銭絡みの些細な問題や手間は最初から生じません。
他のタイプでは、それぞれの世帯で使用した量を明確にすることができないこともあってか、
電気の消し忘れなどの些細なことを必要以上気にしてしまったり、逆にいちいち気にされてしまったりと、
この類のあつれきが積み重なることで、本来リラックスしたい唯一の我が家にいながらも気が抜けないという、
世帯間ストレスが生じ易いともいえます。
実際に、「折角同じ場所に住むのに全く分けてしまうのは忍びない・・・」という気持ちから、
充分に討議のないまま共有率の高い住まいを建ててしまったばかりに、生活を開始してみると不測の世帯間トラブルが多々生じ、
これならばあらかじめ完全に分けておくべきだったというケースが大変多いようです。
また、時代や価値観の変化以上に、「生活時間のずれ」は親しき仲や礼儀をもっても太刀打ちできない現実があるようです。
しかし、例え完全分離型であっても外部の吹き抜けなどの外部空間の造られ方によって適度な世帯間コミュニティを保つことは可能です。
『自分たちに合った適度な世帯間距離』これは2世帯住宅の主要なテーマであり、
それを見いだすためにも、設計期間に充分話し合うことが大切だといえます。

▲完全分離型 ポーチ兼屋外デッキスペースによるコミュニティゾーン例

▲完全分離型 ポーチ兼屋外デッキスペースによるコミュニティゾーン例の模型
次は、3)部分共有(分離)型 -家の諸機能と諸設備を部分共有(分離)するタイプについて
家族揃って暮らせる夢の二世帯住宅 完成事例はコチラ
前へ 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 次へ