無料新規会員登録

掲載情報件数

完成事例 1409 件 | ハウスメーカー 22件 | 工務店 84件 |建築家 13 件 | 住宅展示場リノベーション

  1. HOMEHOME
  2. 住宅関連記事・ノウハウ TOP
  3. 設計のヒント
  4. わが国の家の原点は“蓑傘”の傘の家

住宅関連記事・ノウハウ

建築家 天野 彰 わが国の家の原点は“蓑傘”の傘の家

わが国の家の原点は“蓑傘”の傘の家

 いま「衣」・「食」・「住」のすべてが新たな創造へと向いているのです。地球の環境問題だけでなく、誰にとっても自然の恵みは大きな悦びで、創造の源です。やっといま本来の日本の暮らしに回帰しようとしているのです。そして住まいは、やっぱり「夏を旨とすべし」を心得るのです。

 今回の大震災と原発事故から電気不足が考えられ、いまや住まいは改めて自然との共存を迫られ、風通しを求められ、まさしく「夏を旨とすべし」となっているのです!
日当たりが欲しい!今流に言えば“日照権”が主張されるのですが・・・実は古来わが国の家はその“日照”なるものを向かい入れる構造ではなかったのです。ほとんどの民家が床をあげ、深く低い庇(ひさし)で、そのうえに縁側なる広縁があり、その奥に部屋があるのです。
明らかに深い軒や庇は日陰をつくり、雨を避け、湿気を嫌って、床を高く上げ風を通し、冷えた空気を室内に取り入れようとする“傘の家”の構造だったのです。

京の町家の風も通る“通り庭
■写真:京の町家の風も通る“通り庭"(写真天野彰)

 それがやがて街に住むようになり、都市化され、密集化し、幾度かの大火に見舞われると、隣家との間は燃えない防火の土壁で囲い、“傘”を家の中央の中庭に向け、そこに小さな自然と日陰をつくったのです。それこそが今も続く町家です。この1000年、私たちの湿気対策の“傘の家”の文化は一体何が変わったと言うのでしょう?戦後のわずか66年の間に変わったことなど、気候風土を原点とする「徒然草」の本質に比べ、本来あるべき姿だったかどうかをこの梅雨の季節が教えてくれるのです。
次回は「傘の家」VS「壁の家」です。

関連記事

建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表