使用貸借の場合の不動産所得
Q 私は、十数年前に、自己の避暑地として、銀行借入で別荘を購入しました。
数年間は、年に4~5回、家族で休暇を過ごすために使用しましたが、
その後はほとんど使用することもなくなったため、弟(生計は別)に無償で賃貸し、
弟はその別荘を利用して今年から民宿を経営しています。
別荘にかかる固定資産税や、借入金の返済、利息の支払いは私の方で行っています。
私は、この別荘以外にも賃貸不動産を所有しているので、
毎年確定申告をしていますが、別荘にかかるこれらの経費や、
減価償却費などは不動産所得の必要経費として、
他の不動産収入から控除しても差し支えないでしょうか?
A ご質問の場合は、通常の賃貸借ではなく、使用貸借であり、別荘については
相当の対価を得て貸し付けられているものではないため、
「不動産所得を生ずべき業務の用に供されている資産」には
該当しないものと考えられます。
そのため、別荘にかかる固定資産税や、借入金の返済利息、減価償却費などは、
不動産所得の計算上、必要経費に算入することはできません。
従って、他の不動産収入から差引くこともできません。
また、家賃の代わりに、固定資産税を負担してもらうことで賃貸をするようなパターンもあるかと思います。
この場合は、固定資産税相当額の家賃で賃貸をしていることになり、
金銭の授受はあることになりますが、税務上の取り扱いについては無償での賃貸借と同様、
「使用貸借」の扱いとなります。不動産所得の計算上、家賃収入は収入金額に算入されず、
固定資産税や借入金の返済利息、減価償却費なども、必要経費に算入されません。
ご質問のケースとは異なりますが、賃貸不動産について、空室の期間(遊休中)があった場合の
必要経費の算入についても考え方は同じで、空室の期間は
「不動産所得を生ずべき業務の用に供されている資産」には該当しないものとして、
その不動産にかかる減価償却費等は必要経費に算入されません。
ただし、その期間中も、いつでも貸すことができる状態で維持補修が行われ、
入居者の募集をしているような状態のときは、その部屋を含めて償却費を計上することが
認められています。