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住生活コンサルタント 早坂淳一 ネクスト・アイズ株式会社消費税率を2段階で引き上げ10%に!?現実になった場合の影響とは徹底解説

1 消費税率を2段階で引き上げ、10%に

消費税率を2段階で引き上げ

さて、11月22日の日経朝刊(首都圏版)1面トップに、“消費税2段階で10%”という記事が掲載されています。2015年度までをめどに、税率を2段階で引き上げ10%にする方針です。まず2014年4月にも税率を8%に引き上げる案が有力。食料品など生活必需品の税率を特例で低めにする「軽減税率」の導入は当面見送るそうです。

業界誌の新建新聞社が住宅新築・購入・リフォームを計画中の500人を対象とした独自調査によると、52.8%の方が「引き上げ前」に計画を前倒し。たとえば、2000万円の注文住宅を新築する場合の消費税は100万円です。これが消費税8%になると160万円。10%になると200万円になります。こうなると、住宅取得計画そのものの推進が難しくなってきます。

では、消費税アップが正式に決定した場合、年間ではどの程度の着工が前倒しになるのでしょうか?同じく業界誌の新建新聞社の予測によると、消費税アップ前に持家着工が最大年間15万戸分も前倒しで進む可能性が指摘されています。参考まで調査したところ、前回の消費税率引き上げ(3%→5%)に伴う駆け込み需要は8.5万戸。今回は、その前回の駆け込み需要を約1.8倍上回る駆け込み需要が発生するのです。ご契約いただくと、家を建てるのはそれぞれの領域に特化した技術者です。そして、住宅はその技術者でもある“職人”の技術力によって、その品質は大きく左右されます。となると、これから家を建てる、リフォームするにあたり、リスクを減らす選択肢はいくつかございます。

リスクを減らす選択肢

リスクを減らす選択肢

  • ・注文住宅建築の検討
  • (通常は検討開始~新居への入居まで1年~1年6ヶ月)を早め、施工会社や腕の立つ職人確保を有利に進める。
  • ・消費税が10%になってから、改めて家づくりを考える
  • ・中古住宅(戸建住宅・マンション)を購入し、リノベーションして住む。
  • ・新築分譲住宅・新築分譲マンションを購入する。
  • ・住宅の取得を諦めて、ずっと賃貸で過ごす。

どの選択肢が良いか。読者の方々の各々の状況によって千差万別です。いずれにせよ、駆け込み需要ピークのときに家を建てる、大規模なリフォームを行う選択は、建築する建物の品質を担保する視点では、決して良いこととは考えられません。

2 消費増税が現実になった場合の影響

リノベーション施工事例より
リノベーション施工事例より

6月の社会保障と税の一体改革案で示した「2010年代半ばまでに消費税率を段階的に10%程度に引き上げるとの方針の下、野田政権は年内に引き上げの幅と時期を明記した大綱を取りまとめ来年の通常国会での消費増税準備法案の提出を目指しています。この件については、日々刻々と情報が変わり、来年の通常国会での消費増税準備法案提出までは、現時点ではどうにも読めない点があります。消費増税が現実になった場合に、住宅の新築工事やリフォーム工事においては、大方の予想を上回るほどの影響を懸念しています。

過去においては、1989年の消費税導入や97年の税率引き上げ時に、増税前駆け込み需要と、増税後に住宅市場が一気に冷え込んだという経緯がありました。今回の消費税引き上げのインターバルは、過去の消費税引き上げ期間と比較して短く段階的に増税すれば、その都度駆け込み消費を喚起する機会になるという観測もあります。今回の不況の原因はグローバル規模での金融不安はもとより、社会保障の先行き不安による影響が大きいと分析されています。住宅ローン金利は市場最低クラスの金利が続いていますが、ここにきて住宅の新築・リフォームにおける不安材料がいくつか出ています。

ひとつは震災特需をうけ、全国的に建築に携わる職人さんの稼働コストが上昇している件。職人さんの稼働コスト上昇は、そのまま工事費の上昇を招きます。被災地では、震災前の数倍の日当を払っても職人さんが集まらないという声も、よく聞きます。

次に、消費税が10%になると、たとえば建物価格が2000万円の住宅の場合、増税額は100万円。100万円単位で建築費が上昇すると、いろいろな部分のコストダウンだけで対処することが難しくなり、あわせて年収の〇%以内という収入条件も加味すると、住宅ローンそのものが組めない可能性も出てきます。

3 消費税増税以上に建物価格の上昇などが懸念

リノベーション施工事例より
リノベーション施工事例より

住宅関係で来年度から始まる予定の省エネルギー住宅向け税優遇が目玉となります。エネルギー消費量を従来の基準より1割節約できる住宅を12年度に新築した場合、所得税額から10年間で最大400万円を控除。相続税では、納付義務がある相続人が相続税を滞納した場合、他の相続人が連帯責任を負う制度を見直し、条件を満たせば連帯責任を問わないようにする制度。

太陽光や風力など再生可能エネルギーの発電設備を導入した場合、固定資産税の減額措置などが受けられるようにする制度など、12月9日にも閣議決定する12年度の税制改正大綱に盛り込み、来年の通常国会に関連法案を提出する予定で進んでいます。推測ですが、減税項目が多いことから、消費税増税論議に向けた地ならしの意味合いもあるのかもしれません。

消費税増税が無期延期になった場合。一見よさそうに見えますが、実際はこちらのほうが深刻な影響をもたらす可能性が、あちこちで議論されています。

たとえば、格付け会社のS&Pは欧州連合(EU)の長期信用格付けを最上級のAAAから格下げ方向とすると発表しました。今回のEU格下げ方向と同時にヨーロッパの金融機関の格下げ方向も発表されており結果としてヨーロッパの事実上全ての国、金融機関、国際機関が格下げとなれば、日本よりも国別の債務残高が少ないヨーロッパの信用はガタ落ち=金利が上昇してしまいます。ヨーロッパ(ユーロ)の金利が上昇していくなか、その状態のまま日本国債の金利は上昇しないと考えることは不自然なことです。日本国債の金利が上昇すると、10年もの国債金利に連動する住宅ローンの金利も、あわせて上昇していきます。フラット35の12月実行金利も、2ヶ月連続でじわりじわりと上昇しているのです。

そう考えると、本来であればじっくり検討を進めたい家づくりではありますが、消費税増税以上に金利上昇リスク(=借入可能額の減少)と職人さんの日当アップの影響による建物価格の上昇は避けられなくなる、と考えるのが自然です。

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住生活コンサルタント 早坂淳一住生活コンサルタント 早坂淳一

住生活コンサルタント 
早坂淳一
ネクスト・アイズ株式会社

大手百貨店にてクレジットカード事業の立ち上げやポイントカードシステムの運用、全店販促支援システムの運用、売場リニューアルブロジェクトなど、新規事業を中心とした業務に従事。 その後、携帯キャリア店舗改善プロジェクトや不登校児童・生徒活動支援プロジェクト、工務店支援プロジェクトに従事したのち、工務店にて営業を経験し、現在は第三者機関ネクスト・アイズにて、住宅コンサルタントとして活躍中。