無料新規会員登録

掲載情報件数

完成事例 1404 件 | ハウスメーカー 22件 | 工務店 84件 |建築家 13 件 | 住宅展示場リノベーション

  1. HOMEHOME
  2. 住宅関連記事・ノウハウ TOP
  3. 設計のヒント
  4. お年寄りで怖いのは段差より“温度差”

住宅関連記事・ノウハウ

建築家 天野 彰 お年寄りで怖いのは段差より“温度差”

お年寄りで怖いのは段差より“温度差”

 そしてさらに、お年寄りの事故で多いのは段差よりも “温度差”で、夜中のトイレで、暖かい布団の中から冷えた廊下を通る、トイレへの道筋か寒いトイレで血栓疾患を起こし倒れる人が多いと言うのです。私は「段差よりも温度差!」と主張し、こうした温度差が極力生じないようにし、贅沢でも寝室から廊下トイレあるいは脱衣室までを床暖房としたり、ついには“寝室の中にトイレをつくる”すなわち「トイレの中の寝室」のような発想をするのです。それが先のベッドの高さを揃えたベンチ式トイレの考え方で、段差も温度差も一挙解決なのです。

 実際に、トイレ、浴室で転んで頭を打ったと思しき事故が、実はその原因が心筋梗塞や脳梗塞で倒れて打ったと言う症例もあり、その誤認をした場合、救急処置が遅れ、生命や麻痺(まひ)からの救出を妨げることもあると言うのです。

引き戸を開けると畳ベッドからそのまま足を降ろしてベンチ式トイレへ
■引き戸を開けると畳ベッドからそのまま足を降ろしてベンチ式トイレへ(写真:天野彰)

その対策に、まずは家中の温度差を無くすことから始め、そしてつまづいて転ばないように徹底的に中途半端な段差をなくすことが重要です。なんと、私の祖母は浴槽には入らず、人の手を借りることなくそのスノコの上で転がりながら体を洗っていたのです。

洗い場に敷いたスノコの上で転がりながら体を洗う!
■洗い場に敷いたスノコの上で転がりながら体を洗う!(イラスト:天野彰)

建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表