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建築家 天野 彰 エコとは、自然の湿気対策“傘の家”の文化

エコとは、自然の湿気対策の“傘の家”の文化

日本の家は通気の良い傘の家
■イラスト1:日本の家は通気の良い傘の家(画:天野彰)

 なるほど古来わが国の家は「傘」のようにひさしが深く、日差しを避け、風を呼び込む構造となっていたのです。この辺りは、日当たりが欲しい!今流の“日照権”とは違ってほとんどの民家が低く深い庇(ひさし)で、床をあげ、そこに縁側や広縁をつくり、その奥に居室の部屋があったのです。

 深い軒や庇は日陰をつくり、雨を避け、さらに湿気を嫌って、床を高く上げ、風を通し、冷えた空気を室内に取り入れようとする“傘の家”すなわち夏の家の構造だったのです。やがて都市化が進み、人々が街に住むようになり、家々が密集し、幾度かの大火に見舞われると、隣家との間は燃えない防火の土壁で囲い、“傘”を家の中央の中庭に向け、そこに小さな庭と日陰をつくったのです。それこそが今も続く京都の町家です。この1000年の時を経て、私たちの国の自然の湿気対策の“傘の家”の文化は営々と続いてきたのです。

「傘の家」の自然の家
■イラスト2:「傘の家」の自然の家(画:天野彰)

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表