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長持ちするいい家!施工会社選定ポイント
1 施工会社選定ポイント!職人さんの法定福利費明示開始
建設業界でも、社会保障の充実を核とした法令遵守(コンプライアンス)に大きく舵が切られようとしています。
国土交通省では、建設業界において雇用、医療及び年金保険について法定福利費を適正に負担しない保険未加入企業があることから技能労働者の医療や年金などいざというときの公的保障が確保されず、関係法令を遵守して適正に法定福利費を負担する事業者ほど競争上不利になるという、矛盾した状況を改善する取り組みを今年度からはじめています。
具体的には、各団体が策定した保険加入促進計画の実行と、保険料を払うための法定福利費を明示した標準見積書の活用を進めていくことなのです。
国土交通省:社会保険未加入対策推進協議会
こちらから
(外部リンク:国土交通省)
建設事業者が保険料を払うために必要な法定福利費を見積もりに反映させるため、国は専門工事業者団体に対し法定福利費を内訳に明示した標準見積書の策定を要請。傘下の事業者にその標準見積書を使った見積もりを行うよう周知徹底を働きかけるとのことです。また、総合工事業者団体に対しては、傘下の事業者が、専門工事業者が作成する標準見積書を活用した見積もりを進めるよう強く働きかけていくことも明記されています。
今後は、実際に標準見積書を活用しながら発生した問題について国交省が中心となり情報を収集。必要に応じて改善を図っていくとのことです。
今後施工会社の選定にあたり、法定福利費の項目が見積書に明記されているかどうかが、その施工会社の法令遵守(コンプライアンス)を図る指標のひとつとなり、法定福利費の記載がないことで見積金額を安価に見せている施工会社は、職人さんの社会保障や法令遵守(コンプライアンス)意識が薄い可能性がありえる、ということも、施工会社選定の判断材料のひとつになってきます。
2 標準見積書が結果!長持ちする"いい家"をつくる
もちろん、この標準見積書が普及するまで相応の期間がかかることが予測できるため、法定福利費の項目がいますぐに施工会社選定判断基準になるわけではありません。
一方、建設業の許可・更新の申請時に、新たに健康保険などの加入状況を記載した書面の提出が11月1日から求められ、あわせて特定建設業者が作成する施工体制台帳などの記載事項に保険加入状況が追加される制度が始まりました。今回の確認の開始にあわせ、許可・更新時に未加入であることが判明した企業に対し国・都道府県の建設業担当部局が加入指導を実施。さらに、立入検査などにより加入状況や元請企業による下請企業への指導状況を確認。未加入などが判明した企業に対しても国・都道府県の建設業担当部局による加入指導を行うことが決まっていますので、結果として、公的保障が確保されている職人さん(技能労働者)が、みなさまの家を手がけることができるわけです。
職人さん(技能労働者)の法定福利費という、住宅の仕様や性能に直接関係する話ではありませんが、むやみな値引きを要請することで法令遵守(コンプライアンス)に抵触しかねない問題や、職人さん(技能労働者)のモチベーションを下げてしまいかねない問題を避ける判断材料のひとつとして、この標準見積書は使えると思います。
法定福利費をかけても、よい職人さんに家を建ててもらうことが、結果として長持ちするいい家になるのです。
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