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住宅関連記事・ノウハウ

建築家 天野 彰 子育ては短く老後が長い!「家は3度建てる」の意味?~これからは「夫婦の家」

1 子育ては短く老後が長い!「家は3度建てる」の意味?

新しい年を迎えました。年末年始の節目は良くしたもので、ただ12月31日の夜が明けて次の年の1月に代わるだけなのに、毎年暮れに差し掛かるほどにまるでこの世の終焉のように忙しく、年が明けるとまるですべてがリセットされたような心境となるのが不思議です。

しかしこの年末年始の“イベント”に、人はなぜか皆意識が高揚し、そして大きな節目を迎えるのです。この節目を何度も迎えていると、気が付いたら “老い”ているのです。若い夫婦も子どもが生まれ忙しく、子どもの成長を願い、楽しみにして、やがて彼らは成長して出て行きます。

これを家づくりのライフステージを知るために、私が常々提唱する、時間の量(かさ)が分かる「住まいの時計」で見ますと、なんと子育ての期間などまさにあっと言う間のことで、長い人生の4分の1ほどのことであることが分かるのです。

夫婦の「住まいの時計」
夫婦の「住まいの時計」(画:天野彰 )

家は子どもたちが成長するまでの「育児型」、そして大人の「社交型」さらにその先は「養老型」とほぼ15年ごとに大きく3度変わることが分かるのです。なるほど「家は3度建てないと自分のものにならない」の例えのとおりなのです。しかも最今はこの最後の老後があまりにも長い!ことが分かります。

築50年 三男ご家族が住む大分臼杵Ko邸
築50年 三男ご家族が住む大分臼杵Ko邸(天野彰)

2 今の家は「エンプティネスト」?子どもの残骸と住む?~これからは「夫婦の家」

たとえ子どもたちが出て行かなくても、すでに子どもたちは成長して「子ども」ではなく成長した「大人」と住む!と考えるのです。いわば子どもたちと同居しているようなものです。子どもたちもニートなどと言わず、親の家に下宿させてもらっていると考えるのです。当然のことながら家賃を支払うぐらいの覚悟がなければいけないのです。

こうしていずれ子どもたちが出て行った家のことを“エンプティネスト”などと呼ぶと言うのです。なんと、まさに“空き巣”です。子どもたちが残していった残骸と住むと言うのです。

とんでもありません。家は最初から夫婦が住むところで夫婦が生きて行くところです。そこにたまたま「子どもが生まれてそして育って行った」だけのことと考えるのです。しかし現実はそんな家が多く、あの阪神・淡路地震のときもそうで、こうした老夫婦が住む家があえなく倒壊し、多くの犠牲者を出したのです。2階に子どもたちの重い“残骸”を残し、手入れも行き届かない家がこうした地震に被災したのです。

今、世の中は核家族化が進み、こうした“老いた家”が急激に増えているのです。

阪神・淡路地震被害例
阪神・淡路地震被害例(天野彰)

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表。

 一級建築士天野 彰 公式ホームページ
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