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建築家 天野 彰 小上がりの四畳半は家族の団らんと老いのベッド?~~老いない四畳半?と小上がり空間の妙!

小上がりの四畳半は家族の団らんと老いのベッド?~~老いない四畳半?と小上がり空間の妙!

 四畳半はなんとも不思議な空間です。四畳半の真ん中に卓袱台(ちゃぶだい)や炬燵(こたつ)を置くと、これがまたなんともバランスがよくしっくりとした空間となるのです。
 ここに家族4人が座れば楽しい団らんの茶の間となり、親しい仲間とのマージャンの場にもなります。さらに互いがその角に鎮座し「おひとついかが?」とくれば、これこそ色っぽい「四畳半文学」を地で行くこととなります。

 わが国にはこうした狭さの妙を追求した奥深い空間の哲学があり、茶の湯の高い精神性となり、その反面無駄に広い空間をあえて「・・・の千畳敷」などと疎む感覚もあるほどなのです。

小上がりの畳の下は巨大な引出し収納
■写真1:小上がりの畳の下は巨大な引出し収納・Nar様邸(天野彰)

 そんなことからか、私の設計する家には小上がりの和室の空間が多いのです。なぜ小上がりかと言えば、まさしくリビングダイニングの「洋の空間」と「和の空間」の境目であり、和洋インテリアデザインの切れ目でもあるのですが・・・、実は本当はスリッパがスッと和室に滑り込まないようにすることと、その段差の下に奥行きの長い引出し収納ができて大量の物が収まるメリットもあるからです。
 さらにこの小上がりの段差はリビングとの境においてはちょっとしたベンチとなり、多くの人も腰かけることができ、家族の団らんはもとよりホームパーティなどの一つのシーンとなるのです。

小上がりの畳空間とベッドのプランとその断面、小上がりとベッドの段差を利用したシーツの交換
■イラスト1:小上がりの畳空間とベッドとのプランとその断面 ■イラスト2:小上がりとベッドの段差を利用したシーツの交換(画:天野彰)

 そして極めつけは、この小上がりの段差が老いて生活のしやすい療養室ともなるのです。リビングダイニングに沿った四畳半はイラストのように、療養のベッドと併用して夫婦の寝室ともなり、シーツの交換もしやすく、しかもいつも家族と近いところに居られて疎外感もなく、ベッドの高さ同様、この小上がりの四畳半から足を降ろせばすっと立ててトイレにも行きやすく、まさにおいて足腰を鍛えるリハビリテーションともなるのです。

老人施設ミオファミリアのラウンジの小上がりの四畳半
■写真2:老人施設ミオファミリアのラウンジの小上がりの四畳半(天野彰)

 次回『湯を楽しむ!わが国は風呂敷の文化?!』お楽しみに
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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表