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建築家 天野 彰 同居、親の本音と子の本音~上手な二世帯同居プランづくり

同居、親の本音と子の本音~上手な二世帯同居プランづくり

 同居のプランづくりは難しいのです。なぜなら同居の真意あるいはその本意を探りながらの試行錯誤となるからなのです。
 「真意」と「本意」など、まるで同じ意味合いの言葉のように思えるのですが、ところがどっこい、こと同居住宅の設計となるとこの両者には微妙な相違点が現われて来るのです。

 まず同居に対する「親の本音」と「子どもたちの同居思考の本音」のそれぞれの「真意」があり、それこそ親の「老後不安」と子の「庭付き戸建て願望」があり、さらにそれらをいかに効率よく結びつけ組み立てて行くかと言う、同居の「本意」とがあるのです。つまりそれぞれの「真意」は想像の通りで、互いに“異なる同居のメリット”を探ってわが身わが暮らしのこれからと今の「得」を考えることなのです。
 これはその土地の有効利用と言う点でもきわめて当然のことで、その「本意」とは、これからの時代、社会保障の行方や医療費などの高負担がかさむであろうことと、そんな中での高齢者施設やケアの質の不安を払拭できないことです。同居はその土地の有効利用のみならず身内と共存すると言う点できわめて意味があることなのです。

 反面、同居は依然として嫁姑問題があり、それが同居不安ともなっているのです。が、実際は封建社会での先入観念であって、現代は嫁姑の互いが気を遣い過ぎることが同居不安の要因となっているのです。そこで同じ屋根の下に親子が別々に住む「二世帯住宅」となるのですが、しかしこれは例え玄関を別々にしても普段から互いが交流を密にしていない限り、意識が通い合って、かえって近すぎるがゆえに住みにくくなるのです。
 こうして二世帯住宅に失敗したと言う親子夫婦は多いのです。その丁度良い距離関係こそ、住まいやすい同居プランなのです。

同居の形
■イラスト左:お馴染み同居の距離パターン図 右:同居の形(断面)(画:天野彰)

 そこで次回は、同居のプランニングの「べったり同居」と「スープの“冷める”距離」について迫ろうと思うのです。

 ★毎週土曜日最新コラム公開中!   次回お楽しみに♪

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表