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住宅関連記事・ノウハウ

住宅アドバイザー 辰巳 渚 ずっと住める家づくり!長もちする家を作るヒント

1 いい家とはなにか!お家のしあわせな空間の記憶について

私たちを支えるのは、しあわせな空間の記憶。次の一歩を踏み出す勇気は、しあわせな関係の記憶から生まれる。忘れられない、身体に残り続ける記憶。それは、「思い出」と呼ぶにはあまりにも深く刻み込まれた、私の「いま」そのものなのかもしれません。

「いい家」とは、気持ちが長持ちする家(写真:野寺治孝氏)
「いい家」とは、気持ちが長持ちする家(写真:野寺治孝氏)

いい家にたどりつくために

せっかく家を買うのなら、せっかく家を作るのなら、いい家にしたい。誰しも、そう願うでしょう。でも、どんな家が「いい家」なのか。いざ本気で検討しだすと、いきなり曖昧模糊としてわからなくなってしまう気がしませんか。いつか自分の家がほしいなあと夢見ていたときには、あれほどこんなのがいいな、あんなのもいいなと具体的な理想像が思い浮かんでいたのに不思議ですね。理想は現実に近づいたとたん、つかみどころがなくなってしまうものなのです。でも、安心してください。それは一歩踏み出した証でもあります。現実に近づいたから、ぼんやりと考えていた「家」について、ひとつひとつ「自分はどうしたいのだろう」「これはこれでいいのだろうか」と検討をはじめて、「あれ? 私はどうしたいんだっけ」と迷いはじめた、ということなのです。

はじめに整理しておきましょう。いい家とはなにか。ハードの面から見れば、ごくシンプルな正解があります。それは、建築物として長く住みつづけることができる家。いわゆる欠陥住宅ではなく、地震などの災害にも強い、安心して住める家です。日本では、まずは、ハード的ないい家に誰もが住めるように、建築基準法などの法律でしっかりチェックしてきました。最近の長期優良住宅の認定制度も、その流れにあります。現代の日本では、安心して家に住むための基本条件であるハード面の整備は、たいへん厳しい基準で整っていると言っていいでしょう

ハード面のいい家とは、構造的に長もちする家

ハード面だけでは測れない、ソフト面でのいい家とはなにかが問われるようになってきているのが現代でもあります。

ソフト面のとは

一言で言うと、ソフト面からみた「いい家」とはこういうことでしょう。家探し・家づくりをはじめて、わからなくなってしまうのは、この部分なのです。家は、単なる箱ではなくて、住む人がそこで日々を営む場です。住んでいる人が、そこで食べ眠りトイレに行き風呂に入り、家族とくつろぎ友人と語らい一人もの思いにふける、その時間がここちよく、ここが私の居場所なのだと思えるいごこちのよさがえられるかどうか。人は変化するものです。働き方も、健康状態も、趣味や好みでさえも、変化する。家族も同じように変わっていく。その移ろいを家が包みこんでくれるかどうか。住みはじめて1か月後には、ここは使いにくい・もっとこうすればよかったと後悔したり、3年後にはいまの家族の暮らし方に合わなくなってしまったと困ったりしないかどうか。

ソフト面のいい家とは、気持ちが長もちする家

一言で言うと、ソフト面からみたいい家とはこういうことでしょう。家探し・家づくりをはじめて、わからなくなってしまうのは、この部分なのです。

ソフト面のとは
いい家とは、気持ちが長もちする家(写真:野寺治孝氏)

しあわせを測る物差しを手に入れる

ハード面は目に見えるし誰でも数値で測れます。けれど、ソフト面は目に見えず誰にでも測れるわけではない。ソフト面を測る物指しの目盛りは数値ではなく、本人のしあわせの感じ方です。測れるのは、しあわせを感じる本人だけです。しあわせの目盛りは、私は、こうしていると満足だ・私は、こういう物が好きだ・こんなふうに家族で生きていきたいといった、自分の生き方についての願いによって刻まれています。そして、その願いとは、いまを生きている本人のなかに息づくしあわせな空間の記憶が生み出すのです。

住みはじめてすぐに賞味期限切れが起きることもある。実は、家事や暮らしに関する講座をたくさんしている中で、多くの人の口から聞いた嘆きから気づいたことでした。私が実際に聞いたケースを取り上げてみましょう。

希望どおりになっているのに

家をつくるにあたって、いろいろ情報収集をして、何軒も展示場を見てまわって、具体的な希望を固めました。それで家族のコミュニケーションを大切にしたいから、アイランドキッチンにしたい・すっきり暮せるように、収納は各部屋にたくさんほしいなどと希望を出して、そのとおりにしてもらったのに、住んでみたら使い勝手が悪かったり、動きにくかったり。でも、希望どおりなので、誰にも不満は言えなくて。

希望どおりの家になっているのに、なぜか満足できない。そんな不満とも疑問ともいうべき嘆きは、ほんとうによく耳にします。 誰のせいでもないし、自分の希望が変わったわけでもない。なぜ?どうして?というわけです。

多くの人にとって、家づくりは初めての経験です。だから、かなえたいほんとうの願いと、業者に出すこれがいいという要望との区別がつきにくくなっているからです。たとえば洋服なら何度も買って失敗したり成功したりという経験を積んでいます。ショップで店員さんに白いワンピースはない?と聞くとき、必要なのは白いワンピースではなく清楚に見える洋服であることは、店員さんも客である自分もわかっている場合が多いものですが、家は違います。

記憶
賞味期限切れは、「希望どおりなのに不満の出る家」だから(写真:野寺治孝氏)

初めての経験だからと情報を集めれば集めるほど、要望ばかり増えてしまう。新しい家で暮らすなかで、自分がかなえたい「ほんとうの願い」がわからなくなってしまう。それなのに、家をつくる業者がこの「お客さまの言う要望」をそのまま信じてしてしまうと、「希望どおりなのに不満の出る家」になりかねません。

完璧!と思えるまで考えたのに

設計段階で何度もプラン変更して、100%と思えるまで考え抜いて建てた理想の家でした。それなのに、いざ住みはじめたとたん、ウォークインクローゼットは寝室ではなくリビングに必要だった・2階の洗面は必要なかったなどという後悔がはじまったんです。

おもしろいもので、私たちには、新しい物を手に入れるときがゴールと考える癖があります。夢は庭つき一戸建てと言われた時代もあったように、家は手に入れることがゴールだ、と。それは、業者にとっても同じことです。家は売れたときや建て終わって引き渡すときがゴール。住み手も作り手も、そのゴールをめざしてがんばります。けれど、ほんとうは、家は手に入れたときがスタートです。その日から、その家での家族の暮らしが始まる。頭で思い描いていた理想の暮らしを、現実の家で少しずつ実現していく幸せな日々が始まるのです。だから、住みはじめてから、日々家族と過ごしながら家事をしながら、少しずつ詰めをしていけばいいのです。

住んでみないとわからないことは、ほんとうにたくさんあります。住んでみないとわからないことを、住み手が日々暮らしながらちゃんと実現していけるように、つくり手は家をつくるべきなのです。住み手にとって、住みはじめは70%の完成度が理想です。家を100%に近づけられるのは、暮らしの主人公である自分だけだと考えてみてください。このことをわかっていない業者との家づくりでは、引き渡しのときは100%に見えても、住みはじめてから住み手が関わる余地のない家、時間とともに価値がマイナスされていくだけの家ができてしまうこともあります。

2 長もちする家を作るヒント

住みはじめてからもあきらめられない「あきらめ」がある女性からは、こんな話をよく聞きます。じつは、私自身にも経験のあることです。

つくり手には暮らしを語れる経験が不足、住み手には家で生活を築いていく知識が不足
つくり手には暮らしを語れる経験が不足、住み手には家で生活を築いていく知識が不足(写真:野寺治孝氏)

「できません」って言われるのは私がワガママだから?

業者さんにここの壁は珪藻土にしたいんですって言ったら、それはできませんよとあっさり言われてしまいました。でも、友だちの家で同じような場所が珪藻土になっているのを見たんです、なんとかできませんかと聞いても、この家の場合は、むずかしいと思いますよ。珪藻土に見えるいい壁紙がありますよ。といった、的外れな返事しか返ってきませんでした。そのうえ、いっしょにいた夫は「壁紙でもいいじゃないか。すみませんね、妻がうるさい注文をして」と、まるで業者の味方です。私、施主としてそんなにワガママだったんでしょうか。いまでも、壁紙を見るたびに、どうして塗り壁にできなかったんだろうと諦めきれません。

これは、キッチンなどの水まわりや収納でもよく起きることです。生活にこだわりがあるからこそ細かく出した希望が、しっかり検討してもらえないまま「できません」で終わってしまう。質問しても、わかるように説明してもらえない。納得できない!業者の側も、もちろん施主の希望を無視しようとしているわけではありません。それなのに、どうしてそんな気持ちのすれ違いが起きてしまうのでしょう。答えは簡単で、お互いにお互いのことを知らなさすぎるわけです。施主は暮らしの言葉で語り、生活の範囲の常識に基づいて希望を出す。業者は設計・施工の言葉で語り、設計・施工の常識に基づいて答えを出す。そして、お互いに違う言葉と常識に立っていることが、ほんとうのところ、わかっていないからです。

業者にとっての常識を、生活の言葉でたとえば、珪藻土は塗るのに左官職人を入れなければいけないから、いまの予算内ではむずかしいんですよ・この場所は人の出入りが多い場所だから、はがれる塗り壁はお勧めできないんですよ。壁紙なら張り替えが楽だから、いいと思いますよ、などと説明すればいいのだけれど、そんなことは常識だから、説明する必要がないと感じてしまうわけです。

できませんとシンプルに答えることで、珪藻土にしたいという希望のおおもとになっている生活への願い、たとえば自然素材が安心という思いまでを封じてしまうことに、なかなか気づけないのです。施主が建築・施工の知識をもっていないのは、ある意味、あたりまえです。けれど、料理をしたこともないデザイナーがキッチンを設計し、まだ家庭をもっていない若い人が家族用の家を設計することもあたりまえなのが、残念ながら、家づくりの現状です。女性である私としては、住宅建築で働く人が、設計であれ施工であれ、男性が中心だったこと、そしていままでの住宅建築が「建物」というハードの視点でできていて、「暮らし」というソフトの視点がそれほど大きくなかったことも、原因だと考えています。

賞味期限切れが起きるわけ

こうして現実に起きているケースをたどっていくと、賞味期限切れが起きる家ができるわけがわかってくるはずです。誰が悪いわけでもない。つくり手には、建築知識と経験があっても、施主と同じ視点にたって暮らしを語れる生活経験や人生経験が足りない。あるいは、施主と同じレベルで発言してはプロではない、といった思いこみがある。住み手には、住宅情報はあっても、家に住みながら生活を築いていく知識=住生活知識が足りない。人生経験も、自分のいままでの経験しかもっていない。願いはあっても、それを言葉にして伝える機会が少なかったので、常識が違う相手に伝え切れない。それでも、どちらもいい家をつくりたいとは思っているから、この業者なら!このお施主さんのために!という気持ちだけで、希望的に共感して話が進んでいってしまう。結果、希望どおりの家なのに、なぜか不満ばかりといった結果がもたらされかねない。

大切なのは、お互いに納得するように話をしながら家づくりのプロセスをていねいにたどることではないでしょうか。

株式会社家事塾 代表 辰巳 渚

 お茶の水女子大学卒業後、出版社勤務を経て、1993年よりフリーのマーケティングプランナー、ライターとして独立。2000年に刊行した『「捨てる!」技術』で、消費社会の象徴である「物」に対する新しい哲学を提唱し、同書は130万部のベストセラーになる。現在、家事塾での講座やセミナー、講演を通じて、ほんとうに豊かな暮らし方の発信や、生活関連会社・住宅会社へのコンサルティングなど、暮らし研究の第一人者として活躍中。クロワッサン、STORY、ESSE、いきいきなど雑誌及びテレビ等、メディア出演や著書多数。近著に「物の捨て方 のこし方・PHP」「人生十二相・イーストプレス」がある.

 野寺治孝(Harutaka Nodera)

 1958年、千葉県浦安市生まれ。本郷高校デザイン科、日活TV映画芸術学院卒業。'76年頃から本格的に写真を始める。'79年地元のアマチュア写真クラブ「集団剣」に参加する。広告デザイナーを経て、'84年にニューヨークを撮った作品を自費でポストカードとして製作販売、これを機にプロの写真家となる。'91年「スローハンド・野寺治孝写真事務所」を設立。国内外を問わず様々な場所をフィールドに独自の視点で捉えた作品を多数発表している。代表作に「TOKYO BAY」「帰郷」「boat」など。書籍「結婚のずっと前」がベストセラーになっている。
なかでも「チルチンびと」の表紙などをはじめとして、「コンフォルト」「ニューハウス」「ミセス(妻、娘から見た建築家の実験住宅)3年間連載」住まいに関する作品の評価が高い。

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住宅アドバイザー 辰巳 渚住宅アドバイザー 辰巳 渚

住宅アドバイザー 
辰巳 渚

 家事塾代表 辰巳渚
  「しあわせな空間の記憶」をテーマにあなたの理想の住まいを見つけるお手伝いをさせていただきます。
 要望の整理など、ご自身の暮らしについて真剣に向き合うと、あなたの「しあわせの空間」が見つかるはずです。
 ぜひ、お気軽にご連絡ください♪

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