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建築家 天野 彰 住まいは?「空ける」と広くなるのです?!~“空け”まして おめでとう!

住まいは?「空ける」と広くなるのです?!~“空け”まして おめでとう!

 住まいの最大の問題点とは狭いです。
私は住まいは“せまい”と読むものだと言っているほどです。なぜなら広くすればそのコストは上がりわが家の経済は狭くなり広さを求めて遠くへ移れば通勤通学に時間がかかりつき合いの時間が狭くなるからです。しかも最近は年寄りだけの暮らしとなり広いと掃除や暖房費が嵩みます。何より寂しくてたまりません。まさしく現代社会での住まいは“せまい”でいいのです。
 昨暮れにお話ししたように掃除のために人生を無駄にしてはいけないのです。ましてや物などに使われてはいけないのです。さらには今の家に“拘束”されても行けないのです。

 そこで住む場所を限り無駄なスペース、そう無駄な空間を空けるのです。もともと「空間」とは「空」の「間」なのです。日本の住まいはまさしく間でそれは空をつくる柱の間のことでその柱の間には何もないのです。これこそSpaceで西欧の壁に囲まれた空間はまさしく部屋でありRoomだったのです。
 個の本質的スペースを今改めて取戻し自分にとって、家族にとって、自由な発想で住まいをつくるのです。と言ってもなにも難しいことでは無いのです。まさしくわがスペースをつくりそこで柔軟に暮らすのです。そうですまさしく囲いの無い仕切りのない“ワンルーム”をつくるのです。
(参照 「間取りを“溶かす”したプラン・・・」
 このワンルームもかつては “一部屋”しかない狭いマンションなどの呼称となっていますが、ここで言うワンルームは隔てのない家全体を言うのです。もちろんプライバシーの必要な“時”や就寝する“時”などはいずこから仕切りや目隠しが現れてルームやコーナーとなるのです。

わが国の開放的な住まいの原点
■開放的なわが国の住まい(画:天野彰)

 そうここで最大の要素は時、そう「時間」です。この時の間は何かをする時。
個になりたい時などの日常的な時から、病気や来客等の非日常の時、さらには家族変化があった時、老いて不自由になった時などのライフサイクルの時にも対応することです。なんてことはありませんすべて壁やドア納戸で固定せずに襖などで自在にかつ柔軟に仕切れればよいのです。

間仕切りをすべて取り去り、自在にプランをつくる
■間仕切りをすべて取り去り “収納ロボット”で自在なプラン(画:天野彰)

 これはなんとわが国で固有に培われた住まいの思想でもあるのです。急激な近代化で西欧思考されて失った今の家を、わが国固有の家の思想で考え直し、現代の技術で再構築するだけのことです。さあ、「壁の住まい」の壁を空けて、部屋を空けて、改めて自分そして家族の生活を考えてみましょう!これは今の壁の家、さらにはマンションの暮らしでもできることなのです。

 そう「間取り」すなわち「ルーム取り」から家族の居る場、何かをする場、そうです「場取り」の思考に変えるだけでいいのです。

マンションの間取りも開放
■マンションの間取りも開放 ■既成の間仕切りを空けて透明にすると効果的(画:天野彰)

 ★毎週土曜日 最新コラム公開中!   次回お楽しみに♪

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表