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住宅関連記事・ノウハウ

建築家 天野 彰 どんな家がこれからの家となるのか?(2)

どんな家がこれからの家となるのか?(2)


―自分の住む場所を見て「減災」―

 このところわが国全体の地盤はなんとなく不安定で不安です。太平洋に面した大陸棚のしかもプレートが複雑にぶつかり合う狭間の国に住む以上、地震はもとより台風そして津波は防ぎようがないのです。特に最近は火山の噴火や水蒸気爆発までが災害の脅威となっているのです。

 家づくりで耐震耐火など防災に心がけてはいるものの、便利で人が集まりやすい都市はどんどん密集し拡張され平野部の活断層やあの巨大津波には無防備な湾岸までびっしりと建ち並んで危険性はさらに増しているのです。
 どんなに快適な住まいでも大地震であえなく倒れ、その隣家から延焼してしまっては家どころか命を失うことにもなりかねません。東日本大震災のように大津波や液状化はもとより原発や化成コンビナートなどの二次災害が心配です。

イラスト:怖い液状化の原理
<イラスト:怖い液状化の原理>

 なによりも20年前の阪神・淡路地震のあの恐怖の揺れの衝撃的な体験と、長く続く余震による避難生活の不安な日々の不自由さ、そしてその建て替えや復興予算の多額の出費を迫られ、ついにはその街と家を捨てた人も多いのです。
 そんな惨状をテレビの実況や新聞で目の当たりにしながらも、その本音は相変わらず「あれは“対岸の火事”でわが街には来ない」?あるいは「もしあのような地震が来たら “あきらめるしかない”」などと開き直っている人も案外多いのです。

 とんでもありません。防災は自分自身の問題ではなくその街に住む人全体の問題なのです。そこに住む人の心がけ次第で、しかもちょっとした工夫とわずかな費用で、今の住まいと街は耐震補強でき災害から逃れるか、被害を最小限に減らすことができるのです。それこそが「減災」なのです。
 今、阪神大地震の直下型の衝撃的な破壊と大火災から20年、そして巨大津波で多くの命を奪った東日本大震災から4年が経ちました。果たして今の敷地あるいは住もうとしているところが安全なのかどうかぐらいは知っているかどうか?です。

イラスト:地盤を知って揺れの変化を知る
<イラスト:地盤を知って揺れの変化を知る>

 そこでまずわが家が建っている街やその位置、あるいは建てようとしている敷地の位置を各市町村にあるハザードマップや海抜を示した地形図や活断層図から知ことが一番です。新興宅地であれば埋め土か盛り土かを申請に使った造成図を見せてもらうか、担当した施工者に問い合わせることも重要な手立てとなるのです。特に液状化の問題は家ばかりか避難路にも障害が起こります。
 こうして逃げる方向、さらには近隣との一斉避難経路や避難先を決めて、自ら声を掛け合うことが重要なのです。「減災」は官制ではなく、住む人みんなの安全からこそ生まれるのです。

 この5月26日にあの「玉川上水を世界遺産に」のフォーラムを無事開催しました。360人ほどの来場者があり、世界遺産化はどうあれ玉川上水が360年余も防災に役立ってきたことと、江戸全体に水を供給し続け日本の水文化を生み、今も清潔な街に保ってきたことを知りました。

イラスト:玉川上水とその水系と緑と風の道
<イラスト:玉川上水とその水系と緑と風の道>

アトリユーム垂れ幕

会場風景
<写真1・2:同上フォーラム アトリユーム垂れ幕と会場風景(筆者撮影)>

★毎週土曜日 最新コラム公開中!   次回お楽しみに♪

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表