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建築家 天野 彰 家のデザインはどうあるべきか?(2)~家のデザインとは?

家のデザインはどうあるべきか?(2)~家のデザインとは?


―デザイナーズハウス?などと言われる時代「下駄」の家とは?―

 時代はインターネットの急激な進化と情報の氾濫で、その利点と欠点?が問われているのです。かく言う私も、そのインターネットの一ページでこうして意見を発信しているのですが・・・。

 確かに実際にインターネット記載で感じることはその意見を言いやすいことと、同時にどこまで正しい情報なのかを自ら精査することが必要となります。新聞や書籍など活字として発行されるものについては印刷までに何人かの校正校了作業が行われるのですが、ネットでは入稿即配信と言うスピーディーな反面、誤字脱字さらに情報引用の是非までが不確かなまま配信、と言うことが頻繁に起こるのです。

 実際に住まいづくりや住まい方の本を何冊も書いて来て、多くの編集者の校正や校閲を経て初めてその間違いに気づき、専門家として気恥ずかしいことながらも、新たな情報を発見することも多かったのです。改めて活字で著される本や新聞などの重みを実感したものです。

写真:初めての拙著「狭楽しく住む」(新声社)1983年
<写真:初めての拙著「狭楽しく住む」(新声社)1983年>

 こうして考えてみれば鴨長明の方丈記や吉田兼好法師の徒然草など、何世紀にもわたり、時代も文化も変わろうとも、今も新鮮で多くの人に読み続けられることに、空恐ろしくも驚くばかりです。

 なるほどいかに近代化され文明が進もうとも、こと住まうこと、そのための家づくりについては今も昔も変わることなく、宮殿や神殿はともかく、特にわが国の庶民の求める家の本質は洞穴の家から屋根のある竪穴住居に変わり常に九尺四方の方丈庵「傘の家」であり、都市に住んでは九尺二間の江戸の裏長屋で、井戸端コミュニティの暮らしだったとも言えるのです。

イラスト1:傘の家々
<イラスト1:傘の家々>

 今改めて私の半世紀におよぶ家づくりを通じて常に感じ、構築した、住まいの文化とは、「広さ」より「狭苦しさ」の「苦」を「楽」にそしてさらに「楽しさ」を求める・・・、そう、『狭楽しく住む』こと、が私たちの島国の生き方だと思い、著した初めての拙著だったのです。

 時は高度成長期のわが国の住まいをあざけ悪い『ウサギ小屋』などと称した覇権島国イギリスの真似ではなく、今、世界が省資源、省エネルギーの時代となり、かたや超高齢化社会ともなった今、わが国独自の住まい文化を構築すると・・・、やはりひっそり九尺四方の方丈庵となるのかも知れないと思ったからです。

 なるほど、こうしてみると、今風にデコレイトされ、インテリアでこってり盛られたデザイナーズハウスとかと言われても、実際に家を求める人の本音、いや、本質はやはりこの九尺二間の裏長屋に住む気楽な「くまさん」なのかも知れないのです。
 しかもいかに時代が変わろうともわが国の家のデザインとは、“対湿気”の「傘の家」であり、まさしく取りも直さず「裸足」の家で、欧米のレンガ積みやベニヤ板張りの「靴」の家ではなく「下駄」であり「草履」の家であることを忘れることはできないと思うのです。

イラスト2:湿気対策と風通しの「下駄の家」
<イラスト2:湿気対策と風通しの「下駄の家」>

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表