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建築家 天野 彰 「家相」はあるか?(5)~家の品格は「家相」の風と水を考える!

「家相」はあるか?(5)~家の品格は「家相」の風と水を考える!


―「良相の家」?―

 現代の家づくりにおいて住まいの品格とか?家の価値や重み?とは一体なんなのでしょう?床の間や仏壇などが祀(まつ)られて形式張ればできるものなのでしょうか?
 そもそも「家」とは“お家の一大事”の家であり、“ファミリー 一家”の家とも言え、子どもたちにその家の格式やマナーを教える場でもあったのです。確かにわが国の家には古来、独特な伝統や形式がありました。それがまた独自の文化でもあったのです。それが突如として明治から大正にかけ西欧文化が容赦なく入って、英欧化され、そしてあっと言う間に世界を股にかけ戦い、敗戦し、今度は教育や暮らしまでもが米国化され、急激に今の形の家となったのです。

イラスト:住まいの中での教育「床の間」
<イラスト:住まいの中での教育「床の間」>

 それは今までの家の伝統や形式がモダンになったと言うものではなく、むしろそれらをあえて捨てることから生まれる家の形のようでもあったのです。さらに家の材料のほとんどが外国材や集成材となり、結果、家の形は箱型の「壁の家」となり、個室化が進み、シックハウスなどが問題となったのです。
 そして今、大工左官などの職人は急激に少なくなり、床の間がなくなり、風通しの悪い壁の家は、“家”を持つ人の意識、その伝承も失ったのです。すでに家は住むための箱で、自動車のようにあり、低燃費、ローコストとなり、外観や装備、さらには内装に興味が注がれるものとなったのです。

 今思えば自分たちが育った、あのサッシも断熱材もなく隙間だらけの不便な家で、親たちがなにを大切にし、なに願っていたか、子ども部屋などはなく、冷暖房も床暖房もなく、ましてや対面式のシステムキッチンや、洗浄器付の水洗トイレはもとより、ユニットバスもなかったのです。これはほんの昨日のことのようです。
今その家を思い出すことによって“失われた大切なもの”を探るのです。すると古来、わが国の家はその気候や思想、あるいは信念において今もまったく変わっていないことが分かります。小さくても、高層住宅でも親たちが、そのまた親たちが大切にしてきた家の「風格」と「品格」のある重厚な暮らしを今の家に取り戻したいと思うのです。

写真1:完成間際の外観、玄関脇の2本の杉の丸柱が特徴
<写真1:完成間際の外観、玄関脇の2本の杉の丸柱が特徴>

写真2:玄関ひさしの軒裏の木組み
<写真2:玄関ひさしの軒裏の木組み>

 そこで、どの家の設計でも私が一貫して試みてきたことが「家相」だったのです。私が考える家相は易や八卦ではなく、あくまでも「家相の存在」と、さらにその「起源を探る」ことによって伝統的な家づくりと家族を知って、それを現代の住まいに生かすことだったのです。
 結果、家相を考えることによって家族を知ることになり、そのプランの決断もできたのです。しかも家相には科学的な要素も多く、風通しと湿気、すなわち風と水を注意し、家を長持ちさせ、住む人も健康にする知恵があることも実感したのです。

写真3:天野 彰著―建築家が考える「良い家相」の住まい―(講談社)
<写真3:天野 彰著―建築家が考える「良い家相」の住まい―(講談社)>

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表