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住宅関連記事・ノウハウ

住生活コンサルタント 小野 信一 ネクスト・アイズ株式会社家づくり・リフォーム何から始める?注意したいポイントについて

1 家づくり・リフォームを始める前に

無垢スタイル建築設計リフォーム事例より

家づくり・リフォームは難しい、そんな話をよく聞く。難しくさせている原因のひとつには、衣・食・住という三大要素の中で「住」というこの業界があまりにも不透明で遅れた業界だからでしょうか。

たとえば、「食」の業界、材料ひとつとっても、○○村の○○さんが作ったトマトまで情報が開示されているのに対し、住宅業界では、断熱材一式工事というのがまかりとおる。ロックウールが使われているのか、グラスウールが使われているのか、はたまたアスベストなのか。悪徳リフォーム業者の問題、耐震偽造事件の問題と相まって、消費者を疑心暗鬼にさせてしまいます。もうひとつが、売り手主導という問題。これだけ高額な買い物であるのにもかかわらず、相談しに行くのは売り手に相談をしに行ってしまいます。リフォーム店に行けば、リフォームしましょうという話になるし、建替え専門の施工店に行けば、リフォームしても高くつくし、いっそ建替えましょうという話になるのは当たり前の話です。何より消費者自身が、自分自身のことを何も把握していないことでしょう。将来の生涯設計、家計の中での収入と支出、家づくりに対しての具体的な夢、何も整理されていないのに家づくりを始めてしまいます。

いい例が住宅展示場です。過半数の人が、たった一日、最初に飛び込んだ2~3社で決めてしまう。住宅展示場はどんなに小さな展示場でも10社以上、大きな展示場では100社近くあるものもあります。なぜこんなに安易に決めてしまうのでしょう。こうした人の多くが、売り手の巧みな口上に誘導され失敗しています。あくまで自身のプロジェクトであるという意識をもつこと、自己責任であるという強い意識をもつことが必要です。

家づくりは気力と体力と時間がかかる非常に難しいものです。それだけにこうした家を建てたいという夢を実現するための強い意志を最後まで持ちつづけることが成功の秘訣となります。いつが建てどきかは、人それぞれおかれている環境によって違ってきます。しかし、建てたいと感じられたときが建てどきなのでしょう。当然ながら、その時におかれている環境が条件となります。その条件を整理し、無理をしないことが大切なことです。

自分の家をもつということは、人生の三大資金を借金で背負うことです。理想の家を探したり建てたりするということは、想像以上に長い期間と労力を費やします。住宅展示場で観たステキな家がハウスメーカーの営業担当に伝えるだけで、半年後にできあがるわけではありません。家を建てる、またはリフォームを進めるみなさまが、ひとつひとつ確認し選択しなければなりません。途中で投げやりになったり、計画を諦めてしまうことにならないように、あらかじめマイホームの必要性、目的・目標を家族全員で確認しましょう。強い意志をもって計画に向き合うことが大切です。

こんな家に住んでみたいイメージを思い描きましょう

  • 外観イメージ
    屋根のかたち・色、壁の色・質感、窓の大きさ・配置、玄関ドアの色・質感、ガレージ、庭のイメージなど
  • 間取りのイメージ
    広いリビングや吹き抜け、和室の雰囲気、自分だけの書斎、収納がたっぷりあって使いやすいキッチンなど
  • 内装イメージ
    ムクの木の素材感や、ホテルのように明るくてゴージャスな内装
  • 設備
    広いお風呂、明るくてメイクしやすい洗面、家事が楽になるキッチン、家のなか全体が暖かくなる暖房設備、真夏でも家のなかすべて快適に過ごせる冷房
  • 構造・工法
    地震に強い家、火事に強い家、階下に音が響かない、寒くない

2 理想の家づくりイメージをつくる方法

家づくり・リフォームに失敗している方々は、家族で確固とした家づくりのイメージが固まっておらず、家づくりを漠然とスタートし、売り手の都合に誘導されてしまうような方です。家づくりのイメージが固まっていない方は、総合住宅展示場に行くと、最初に目に飛び込んだ2~3社を見学しただけで疲れ切ってしまい、そのまま家づくりを託してしまいます。総合住宅展示場は、どんなに小さな展示場でも10社近く、大きな展示場では100社近くもモデルハウスが建っています。それなのに、最初に目に飛び込んだ2~3社を観るだけで売り手の営業攻勢に乗ってしまい、家を建てるという人生の3大資金を大きな借金を背負うような安易な決断をしてしまうのはとても残念です。理想の家づくりイメージをつくるにあたり、さまざまな情報を収集し、整理することが必要です。売り手に惑わされない理想の家づくりイメージは、どのように育んでいけば良いいのか学びましょう。

簡単な情報収集とイメージづくりの方法とは、ご自身の家の周りを散策すること。具体的に家を観察しながら、気に入ったイメージをメモしたり、写真に収めておき、家づくりやリフォーム・リノベーションを経験した方に、家づくりで苦労したこと、失敗談を直接聞くことも勉強になりますし、インターネットや家づくり関連の書籍で情報を収集することをおすすめします。

ひとりでもできる情報収集の方法ですが、頭でっかちになって知識だけにとらわれてしまわないようにすることには注意が必要です。情報収集とは、知識の習得だけではありまん。実際に現地に行って、直接目で見て、触れて確認しなければ、本当の真意が見えてこないものもあります。住宅展示場や現場見学会、各種イベント、セミナー、勉強会に積極的に参加して目で見て、触れるという経験をしたり、いろいろな専門家や経験者の話を聞いたり、モデルハウスやショールームなどで、いろいろな建材や素材を直接見て触れ、さらに詳しく考え、情報を整理するということする事も大切です。

ご自身の情報や考え方に不明な点があると、売り手である営業担当は自社のお客さまになるかどうか判断するため、できるだけ詳しい要望と情報をつかもうと、必死になってしまいます。記名をすると、訪問、電話等営業されるのが嫌だと思われる方が大半ですが、記名をするときはご自身の正しい情報をはっきり伝え、はっきりと断ることが大切です。そしてご自身にとってはっきりと嫌な点は、できるだけその場で伝えるようにしましょう。そうすれば、優秀な営業担当ほど時間を効率よく使うことから、しつこく訪問したり、電話したり、といった行為を控えます。家づくりの成功は、優秀なパートナー選びで決まるといっても過言ではありません。自分たちの情報を隠して、能力の劣った営業担当に家づくりを託してしまったとしても、それは、みなさまの行動によってもたらされた、みなさま自身の失敗になるのです。

3 今契約直前!このまま契約する不安解消法

誰しもがいざ契約となると不安になります。ましてや洋服を買うのとは違って、家は一生に一度の数千万円という高額な買い物です。不安になるのは当然だと思います。ではどうすれば不安にならずに安心して先に進むことができるのか考えてみましょう。

ご自身の計画を原点に戻って振り返える

  • ・どうして家を建築、購入、リフォームしなければならないのか。
  • ・あなたの今後のライフプランはどういう計画なのか。(会社との関係は?両親との関係は?子供の教育については?あなたの老後については?)
  • ・ライフプランをもとに当初考えていた資金計画はオーバーしていないか。
  • ・当初考えていたスケジュールを急がされていないか。

ひとつでも気になる点、ご不安な点があればもう一度その内容について考えてみましょう。

具体的に今ある計画について内容を確認

  • ・平面プランの間取りの使い勝手、将来の変更、防犯について大丈夫か。
  • ・外観デザイン、外構・造園、アフターメンテナンス対策は大丈夫か。
  • ・仕様・設備等シックハウス対策は大丈夫か。
  • ・防音、断熱、構造は大丈夫か。
  • ・見積り金額は適正か。
  • ・契約後、金額が増える要素はないか。
  • ・契約書、約款は適切か。不利な条項はないか。

ここまできたら、もうおわかりでしょう。

4 無理のない資金計画

光設計リフォーム事例より

家づくりの条件や、環境を整理した後に必要になってくるのが資金計画です。自分のライフプラン(人生設計)を明確にすることです。人生の3大資金といわれる教育、住宅、老後の資金は、それぞれを独立した支出としてとらえるのではなく、常に一体として考え、無理のない資金計画を考えていくことが必要になってきます。

特に終身雇用制度の崩壊、中高年でのリストラによる収入の伸び悩み、退職金の削減、公的年金の給付額の相対的低下という現状を踏まえる必要があります。マイホームの取得は、人生最大の買い物です。取得にかかる費用とそれにともなう30年もの長期の住宅ローンは、老後等のその後の生活設計に大きな影響を与えます。それだけに資金計画は慎重に行なわなければなりません。自分のライフプラン(人生設計)を明確にする上で必要な手順は、まず我が家の現状を把握することです。余剰資金、毎月の生活費はどのくらいかかるのか。そして現在の貯蓄金額はいくらなのか。

子供さんがいる家庭では、一人当たり1000万円かかるといわれている教育費の準備はできているのか。シニア世代では、年金額はいくらでるのか、不足する老後の準備金は用意できているのかなどを整理するところから始めましょう。これらのことをご夫婦間でよく話し合うことが大切です。

何のために家を建てる・リフォームするのか。将来、建てた家をどう維持するのか、永住するのか、住み替えるのか。想定の範囲内で構わないのでイメージすることが、将来の準備となるのです。

日本人は、お金のことにはうといものです。少子高齢化により、50年後には2人に1人は60歳以上になる現実と、平均寿命が90歳を超え、30年というセカンドライフ(第二の人生)をどう楽しく豊かに暮らせるのかは、みなさん誰もが抱える問題になっていくでしょう。年金制度の崩壊というように国も守ってはくれません。我が家の家計を把握し、将来の人生設計を想定し、今から準備していくことは自己防御にもつながります。家づくりは、夢と現実との闘いです。現実を把握しなければ夢で終わってしまいます。そういう意味では、資金計画は現実という壁に当たる、避けては通れない最初の一歩とも言えます。決して、売り手に誘導され、無理をしてはいけません。

5 家づくり最大のポイント!建築業者選び

益田建設施工事例より

家づくりをする上での、最大のポイントは業者の選定になるでしょう。特に工務店でするか、ハウスメーカーでするかは悩まれるところだと思いますし、デザイン重視の方などは建築家でするという選択肢もあります。実は、家づくりのプロセス上も含め、この3者との家づくりは、大きくその内容が異なります。どう考えてもハウスメーカーでしか満足できない人が工務店に相談したり、工務店でしか納得できないような人が展示場に行って自分に適したハウスメーカーを探し続け、迷路に入り込んだり、また建築家でしか対応が難しい人が、建築家がまるで眼中になかったりします。

この3つの業者との家づくりは、明瞭に形態化できます。そのキーワードは、時間、資金、こだわりの3つです。時間とは、打合せにかけられる時間や手間のことであり、資金とは建築にかけられる費用のことであり、こだわりとは家づくりにどれだけこだわりを持っているかということです。3つのキーワードのうち時間や手間を優先したい人は、ハウスメーカーで、資金を優先したい人は工務店で、家づくりにこだわりを持ちたいことを優先したい人は建築家でやれば、ある程度は業者選定に間違いはありません。すべてを満足したいと思う人がほとんどでしょうが、あえて3つのうちどれを最優先にしたいのかと考えて選択をすればいいのです。

業者選びが決まってすぎの問題は人の相性で、冷静な判断を狂わせます。どんなにじっくりと打合せをする時間がある人でも、また建築コストが予算的にオーバーしていたとしても、そして自分が目指す家づくりのこだわりが違った方向に行ったとしても、打合せをしている担当者次第で一変に変わってしまうからです。

業者選定における担当者との相性について、否定するつもりはありませんが、相手は売り手であり、プロです。しっかりと冷静に対応しなければ、自身の家づくりを惑わす要因ともなりますので注意が必要です。

6 安全で安心な住宅を建てたい

武井施工事例より

昨今は、産地・作った人まで情報が開示され、進歩的だと思われた食品業界でさえ、偽装という話題が飛び交いました。個人の資質というよりも企業の営利主義、倫理観の低下が原因でした。住宅業界においても、耐震偽装事件は引き続き発覚し、大手に依頼しても、下請け、孫請けという業界の二重構造により、すべては管理しきれないという問題が露呈し、どこに頼めば安全で安心な住宅が建てられるか、みなさん困惑したことと思います。おそらく業界内の体質が変わらない限り、この問題は解決しないでしょう。

住宅業界は、誰もが困ったら売り手に相談に行く売り手主導の業界です。そこに強引な営業手法や囲い込み手法が存在しました。最近では、適正な住宅取得資金をアドバイスしてくれたり、信頼できる施工会社を紹介してくれたり、着工中の現場を施主に代わってチェックする第三者機関という存在が出現しまし、売り手との間に入るこの第三者を住宅産業関連ニュービジネスと称し、ガイドラインなども制定し支援しています。報酬体系をはっきりと伝えないバックマージン(見えない紹介手数料)などを収益構造としているところなどは入りませんが、こうした第三者機関を利用することも“安全で安心な住宅”を取得するひとつの方法です。

また、保証や保険の利用もひとつだと思います。保証とは、地盤保証(不同沈下による建物の保証)、完成保証(着工中の施工会社の倒産保証)、瑕疵保険(10年間の建物の構造・防水などの保険)の3つです。確認申請および住宅性能表示などの国の制度では、ヒューザー社の例にもあるとおり、施工会社が倒産してしまうとすべてが水の泡。責任を負いなさいというだけで金銭保証はつかないからです。施工会社に掛けてもらうか、ご自身で費用を払ってでも掛けておく必要があります。また、施工会社がこうした保証を利用するためには、保証会社からの信用調査があるので会社選定にもつながります。こうした多重チェックと保証の利用こそが“安全で安心な住宅”を取得する秘訣になってきます。是非参考にされてみてください。

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小野 信一
ネクスト・アイズ株式会社

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一般消費者への家づくり情報を発信する「ハウスネットギャラリー」を運営する一方、「欠陥住宅を造らない会」、「ちっちゃな工務店クラブ」事務局も兼務。一般消費者への住まいの相談業務は2500人以上を数えます。
その豊かな実例をもとに“家づくり必勝法”(NHK出版)を発刊。
経済産業省 住宅産業関連ニュービジネス支援策検討委員会委員。 日本FP協会会員。