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住宅関連記事・ノウハウ

建築家 天野 彰 生かすか壊すか?(6)ハウジング・クリニックの創設

生かすか壊すか?(6)ハウジング・クリニックの創設


―壊すか生かすか、それが問題だ「住まいの診療所」をつくる!―

 住まいは文化であり、その国の気候風土から長年にわたって形成された伝統でもあるのです。
 その住まいがこの半世紀ほどで構造からスタイルまで全く変わってしまったのです。反面日本人の住まい方はさほど変わっていないはずなのですが・・・肝心の気候風土と伝統的な文化が徐々に失われ、今や国籍不明のベニヤ板の構造と、全天候の窯業系のサイディングボードの外壁が主流の家となっていることです。

 確かに都市の住まいは、耐火耐震さらに高耐候性能はとてもよいことですが、残念なことはわが国の高湿度に対する蒸れや自然通気が損なわれ、構造の中から腐り、反面室内は高気密となり乾燥し酸欠を起こすなど、思わぬ弊害も起こっているのです。
 さらに外観やスタイルに個性を失い、四季の移ろいにも面白みを失い、挙句の果ては住の文化を失い次世代に和の暮らし文化の継承すらできないのです。

 これらはすべて住む側よりも建てる側の発想で、さらに現場の省力化と工業生産化が発想の主流となり、伝統技術や技術者の養成を失い、使う側の環境重視の姿勢とならなかったのです。
 今ここで急に伝統木造の構造にして外観を漆喰塗りの土壁にしょうとは思わないのですが、せめて古いわが国の良き居住スタイルを守り、後の世代に継承して行きたいと思うのです。

 40年ほど前、第一次マンションブームで出来たマンションの一つに住むことになってその劣悪さに驚き、それを徹底リフォーム(まだリフォームなどの言葉がなく「増改築」)して住んだことがきっかけで、仲間の建築家を集め『日本住改善委員会』(写真:冊子表紙と抜粋記事)なる大仰な会を建ち上げ、マンションに住む人々にその居住性や不満などを直接アンケート調査し、その実態を生々しく知り、さらに、「日本ハウジング・クリニック」、そうまさしく住まいの、いや、居住の診療所を立ち上げたのです。

写真1:「日本住改善委員会」パンフ(1974~)と内容抜粋×3カット
<写真1:「日本住改善委員会」パンフ(1974~)と内容抜粋×3カット>

 耐震強化はもとより環境など居住性を重視し、まさしく住まい手の側の思想の家づくりです。まだシックハウスはもとより阪神大震災も起こる前のことです。
 蛇足ながら、「都市に住む以上狭いことに変わりがない。ならば、狭苦しさの“苦”を取り去りさらに楽しく住もう!」、そう『狭“楽しく”住む法』(新声社)を出版したのです。

写真2:『狭楽しく住む法』(新声社)表紙
<写真2:『狭楽しく住む法』(新声社)表紙>

★毎週土曜日 最新コラム公開中!   次回お楽しみに♪

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表