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建築家 天野 彰 生きるためのリフォーム(6)老いたわが心身を支える家- 1 -

生きるためのリフォーム(6)老いたわが心身を支える家- 1 -

―まずはわが心を支える自助自立の思想!―

 住まいがいくら快適強靭化しても、わが身わが心の不安は隠せない。それこそ老いの対処と、その暮らしのセキュリティをこれからどうするかです。

 まず何よりも家で過ごす時間が長くなる老いの暮らしの生活です。肌や粘膜が過敏となり、いろいろな疾患の原因となります。そのうえで長年体現してきた好みや趣向の奥ゆかしさにも心身が敏感となります。
 まさにあらためて自然素材の価値観やそれらによる空間校正そして醸し出される優しい空気との生理心理作用が重要となります。

自然素材で健康住宅

 また伝統工芸に感じ入り“伝統生活”へのノスタルジアと人として真の生き方の成就。まさしく行く川の流れ・・・と、方丈庵にあこがれ。その暮らしも徒然がなるままにとなる。なるほどこれこそ心身に良い至福の生活かもしれない。
 今ある家をすべて木の住まいに変え、そればかりか方丈庵よろしく山小屋や民家の様相に変え、かつ構造補強を兼ねる(イラスト)などとして自然に帰る・・・。

イラスト1:都会のマンションを『木造の家』に(画:天野 彰)
<イラスト1:都会のマンションを『木造の家』に(画:天野 彰)>

イラスト2:構造補強を兼ねた『山小屋』(画:天野 彰)
<イラスト2:構造補強を兼ねた『山小屋』(画:天野 彰)>

 さらに老いてなお「職」の生きがい。高齢者の労働復帰が望まれる。しかしわが家にて行える職も多い。簡単には余ったスペースを貸駐車場にしたり貸室にして下宿屋さんもできます。さらに積極的に、近所のお子さんのために私設の保育所や民宿もできるのです。これなら若い人との交流もできて毎日が愉しく生きられるのです。
 さらには趣味や能力を生かして、塾や夫婦で喫茶店やアトリエを兼ねたブティックも行えるのです(写真)。

写真3:余ったスペースをブティックにしたSさんの家 (設計撮影:天野 彰)
<写真1:余ったスペースをブティックにしたSさんの家 (設計撮影:天野 彰)>

 こうしたわくわくした毎日こそこれからの徒然なるままの老いの暮らしなのです。気が付いたら、なんとわが家が“職場”になっていたのです。
 わが家を開放する豊かさ。これこそ今日本の重要な労働資源、人材育成そして発掘のチャンスなのかも知れないのです。

次回は、「わが身を支える自助自立の活きて行く家」です。

★毎週土曜日 最新コラム公開中!   次回お楽しみに♪

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表