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建築家 天野 彰 生きるためのリフォーム(7)老いたわが心身を支える家- 2 -

生きるためのリフォーム(7)老いたわが心身を支える家- 2 -

―そしてわが身を支える自助自立の活きていく家!―

 そして…、建物の安全はもとより、それとともに老いるわが身のサポートが大切です。それこそ私が常々提唱している2S+3Fなのです。

 2つのSとはSelf-defenseセルフディフェンス まさしく自己防衛の「自助」とSelf-supportセルフサポート自己支援の「自立」です。
 すなわち地震などの災害に自ら積極的に対処し、さらには老いる身体を自らで最期までサポートしようとする強い姿勢のことなのです。

 そして3つのFとは老後の生活でつまづいたり転ばないBarrier-freeと身体に悪影響を与える化学物質や無駄なエネルギーを使わないChemical-free、さらに将来手を加えたり建て直さなくてもよいようなMaintenance-freeのフリーを心がけることが大切なのです。

 中でもトイレは身体が不自由となっても自身で快適トイレができることが何よりも重要で、老いて自己尊厳が最後の砦となるのです。

 思えば最後まで入院や介護者に頼ることなく頑張って生きた私の祖母の生きざまから、人として女として活きる姿勢を教えられたものです。この尊厳こそがこれからもっとITや科学技術によるべきものだと思うのです。
 まさしくどんなに安全で便利で快適な家でも、自らトイレ一つもできないような家では価値がありません。かと言って介護施設ですべてが解決するわけでもないのです。わが身に重大な障害がない限り、最後の最後までわが家で暮らせるように最大の工夫をするのです。

 祖母の実際の生活姿勢からイラストのように、風呂にはスノコを敷いて手すりを浴室の下方に付けて脱衣室のタオルケットの上で裸になり、そのまま這って行って洗い場で自らシャワーヘッドとブラシで身体を洗う。
 トイレはベッドからそのままベンチの上の便座まで腰をずらして行って用を足す。(イラスト・写真)など自ら生きていく姿勢に驚かされたものです。

イラスト1:自ら這って行って身体を洗う祖母の入浴に学ぶ(イメージ:天野 彰)
<イラスト1:自ら這って行って身体を洗う祖母の入浴に学ぶ(イメージ:天野 彰)>

イラスト2:手をついて移動するベンチ式トイレ(画:天野 彰)
<イラスト2:手をついて移動するベンチ式トイレ(画:天野 彰)>

写真:ベッド(手前)から扉を引いてベンチ伝いに便座へ(扉を逆に開く)(設計撮影:天野 彰)
<写真:ベッド(手前)から扉を引いてベンチ伝いに便座へ(扉を逆に開く)(設計撮影:天野 彰)>

 住まいとは、人が最期まで自立するために壁から支えの手が優しく出てくるように人を支えるものだ。と教わったのです。これこそ人の尊厳を守る真のユニバーサルデザインなのです。

 次回は「わが身を支えるホームナーシングユニットの発想」です。

*お知らせ:この4月5日午後5時からNHKラジオ「先読み夕方ニュース」にて「減築」についてちょっとお話します。よろしかったら♪どうぞ。

NHKラジオ「先読み夕方ニュース」はこちらから

★毎週土曜日 最新コラム公開中!   次回お楽しみに♪

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表