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住宅関連記事・ノウハウ

建築家 天野 彰 夫婦の家(2)リビングは夫婦の創作的な仕事場?!

―住まいは夫婦が遊び、学び、創作する場です―

○今回のポイント 1 大きなハッチ式家具でLDKの間取りを変えることができる
○今回のポイント 2 夫婦の領域を確保することで「自立性」と「双方への関心」が育まれる
○今回のポイント 3 夫婦がいつもいる場があることで、子供たちは自然に学ぶ

 「子育て上手」のシリーズで親が学び遊ぶ場を見せることがなにより重要とお話しました。そうです、なにも創作などせずとも本を読んだり、日記を付けたりそんな場、日常の家事や片付けでもいいのです。夫婦がいつもいる場があることが大切なのです。これで子どもたちは知らない間に親の背中を見て育ち、夫婦の会話や作業を見て学ぶのです。
 そして何より自分たち夫婦が特別な会話をするでもなくいつも一体感を得られ、夫婦が中心の家族、そして家であることを実感できるのです。

住まいは子ども部屋のために狭く、発想のある家とならないのです。

 2LDK,3DKと言われるマンションやハウスメーカーなどの定型の間取りにそのまま住んでいると、子育てはおろか家族の住み方生き方までもが定型となり、狭いばかりか発想もなく、子どもたちに工夫する力を教えることもできず、ついには自分たち夫婦にも会話はおろか楽しみや夢も生まれないのです。
 第一大体の2、3LDKのプランはベランダ側に寝室や子ども部屋などの個室を配し、肝心のリビングやダイニングなどは部屋の奥となり、昼なお暗く解放感もないのです。

 私もかつて、今までの賃貸アパートから大枚はたいて瀟洒な2LDKの中古マンションを購入したのですが、そのあまりの狭さと開放感の無さに驚いたものです。そこで家内が第二子出産のために実家に帰っている間に思い切ってリフォームを決意し、最小限の予算で改装をしたのです。まさしく当時はリフォームなどと言う言葉もなく、マンションの改装改造規定もなく、まさしく家具中心の改装程度のものでした。

LDKとは名ばかりで大きな“K”でした・・・

 LDKと言われ、キッチンに食卓を置いてさらに奥にテレビやソファーを置くとなるほどLDKなのかと思ったのですが・・・いざ料理をしてみると調理の音や匂いが充満しなんと大きなKであることが分かったのです。しかも玄関に入るとキッチンが丸見えでこれは大変と、これを改善しようと思い、さっそく“LDKを分解”したのです。
 2LDKと言ってもさほどの広さもなくどう分けるかですが、一般的にはKだけを分けてLDすなわちリビングダイニングにする?ようなのですが・・・、私はあえてここでDKとLに分けたのです。

イラスト:LDKの中ほどにハッチでLとDKに仕切るスケッチ(画:天野彰)
<イラスト: LDKの中ほどにハッチでLとDKに仕切るスケッチ(画:天野彰)>

夫婦の領域の確保と親が働く姿を子どもたちが観せること?

 実は親たちが働く姿を見せることが子どもたちのために良かったと思えたのは後のことなのですが・・・、妻も私も調理や、勉強に集中できるようになったことは最大の効果であるとともに、互いの領域が出来たことは夫婦の自立性にも役立ち互いが双方の仕事に関心を持つことにもなったのです。これが後に子どもたちの関心となるのですが・・・。
 分けると言ってもスケッチのとおりLDKの中ほどに大きなハッチ式家具で仕切ると言うものですが、これを私は“装置壁”、さらには生命維持装置ならぬ“生活維持装置”などと呼んで悦に入っていたものです。

写真:LDKの間仕切りハッチ情景(写真:天野彰)
<写真:LDKの間仕切りハッチ情景(写真:天野彰)>

 K側には食卓を置き、さらにはこのハッチが主婦のすべての収納となり、狭いながらも彼女の空間となったのです。
 反対にL側はまさしくリビングで、同時に私の仕事部屋となったのです。ハッチに仕込まれたデスクを開けるとここに私の大切なものや子どもたちに危険な塗料や道具が納められ、時に仕事、時にプラモデルづくりなどの遊びの場となったのです。ここには写真のようにオ-ディオやTVなども置かれまさしくリビング装置となったのです。
 これで子どもたちはお腹が空けば母親がする台所や家事に興味を持ち、遊びは父親同様、絵描きや何かをつくろうとするのでした。

 こんな自己体験から、のちに「狭楽しく住む」(新声社)なる本「住まいのソフトウエア」(凱風社)なる本などを出版し (写真:イラスト)、本気で「生活維持装置」なるものをつくろうとしたものです。これが今でも私の住まいの発想になっているのです。

イラスト(左):「生活持装置」なるスケッチ(画:天野彰)、写真(右上):「狭楽しく住む」(新声社)、写真(右下):「住まいのソフトウエア」(凱風社)>
<イラスト(左):「生活持装置」なるスケッチ(画:天野彰)>
<写真(右上):「狭楽しく住む」(新声社)>
<写真(右下):「住まいのソフトウエア」(凱風社)>

 さて、次回からはこうした私の体験をもとに「夫婦の家」についてお話しましょう。

★毎週土曜日 最新コラム公開中!   次回お楽しみに♪

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表