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住宅関連記事・ノウハウ

建築家 天野 彰 「家のチカラ」(4)住まいによってボケない?

―住まいで使わない脳を刺激して、ボケを防止?―

○今回のポイント 1 住まいについて考えることで脳を刺激できる
○今回のポイント 2 子上がりの段差を設けるなど平坦な空間に刺激を与えることで、脳の活性化
○今回のポイント 3 中庭や天井から見える四季折々の変化を楽しめる家も、脳に刺激を与える

『100歳過ぎても「ボケない家」』なる本を書いています。

どうして家によってボケないかと言うと、今までの平生の生活では使ったことがない脳を刺激し、さらに想像し、意識を活性化することによってボケることなくむしろ若返る人もいるのです。

まさしく家は住むための箱ではなく、人の生活そのものの入れもので、人生の場面でもあるのです。しかしその場はあるのが当たり前でただそのことに気が付かないでいるだけなのです。

住まいの計画による変化が脳を活性化させる

この脳の活性化は家づくり、いやリフォームをしようと思った瞬間から劇的に起こります。何よりしぶしぶでもショウルームなどに奥さんに連れて行かれ外に出掛けるだけで家の中に籠っていた気分が変わるからです。しかも何よりも今まで扱ったことがない額の金額について考えることになるからです。

こうした変化は脳科学の専門家も大いに脳が活性化すると言うのです。さらに病理学やリハビリの専門家も目的を持って移動することや、希望や夢を持つこと自体が体や神経を活性化させると言う。

特に四方、上下に囲まれる空間は、その色調さらに素材によって大きく影響され、身体ばかりでなく、人の心や神経そして脳に影響すると言うのです。果たしてその空間、あるいは家のつくりようとは一体何でしょう?

空間に刺激を与える家づくり

まずその空間の大小や色調は当然として、立体感そして住む人自体の動線です。まさに空間は上下四方なのですが、動くことによって住む人の目に刻々と入ってくる光景や光線、さらには次々変化する肌ざわりや音や風と、五感を揺るがす刺激だと思うのです。まさに住まいの設計は音楽やドラマづくりと同じだと思うのです。

階段一つにしても踊り場があって家の中をスキップし回る。天井が斜めでその勾配から刻々と光が入ってくる。私はどんなに小さな家でも中庭や吹き抜けをつくるのです。そう上下左右から光が入りさらに情景が変わるからです。

中庭に夫婦の植樹 Y様邸 / 一坪ながら開放的で明るい中庭家中が見渡せる W様邸(設計:天野彰)
<中庭に夫婦の植樹 Y様邸 / 一坪ながら開放的で明るい中庭家中が見渡せる W様邸(設計:天野彰)>

時には平坦な部屋に小上がりの段差を設けて空間に刺激を与えたり、足元を透明にしたりもします。あえてコーナーを設け動線を曲げたりカーブしたりもします。まるでバリアフリーの真逆のように思えるのですが・・・、それは酔狂を求め奇をてらうことではなく、平坦な中にあえて日常に刺激を与え、住む人の意識が活性化することを期待するからです。まさに脳のリハビリとも言えるのです。

イラスト1:梁をカガミで透明に(画:天野彰)
<イラスト1:梁をカガミで透明に(画:天野彰)>
イラスト2:都会の中の山小屋木の家 中庭でバーベキュー(画:天野彰)
<イラスト2:都会の中の山小屋木の家 中庭でバーベキュー(画:天野彰)>

次回からは久しぶりに「家相」についてお話ししましょう。

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★毎週土曜日 最新コラム公開中!   次回お楽しみに♪

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表