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住宅関連記事・ノウハウ

建築家 天野 彰 家づくりの方法(4)そして夫婦のことを考える?

夏だったのか梅雨だったのか分からない夏が過ぎて台風一過、が、突然秋になっていたのです。

家づくりは長い冬に備えて秋と言うイメージがあります。すべての動物の巣作りと言うイメージもあり、家も家族の「核」である夫婦が最優先なのですが・・・、その肝心の夫婦でさえ一つではなく、夫婦を形成する大きな要素の「夫」と「妻」の別々の力、すなわちベクトルと考えるのです。

○今回のポイント 1 家族の形に合わせて変化する家が理想的
○今回のポイント 2 稼働敷の壁によって、子供の成長や親との同居に合わせた住まいへ

家族の変化に合わせて柔軟に動く家

単純に夫婦は一つ、家族も一つとなどと言うような安穏とした希望的気構えで家を考えるとプランづくりに大きな「歪」が生じます。今そんな家で夫婦の問題、さらには親と子の問題が取りざたされているのです。必ずしも家が原因とは言えないのですが、実際に家の設計をしていますと何やらそんなことが原因?と思えるような事態にたびたび遭遇するのです。
その最たる問題が親と子の同居であったり、老いて夫婦二人の生活となるとさらに大きな歪となり、ついには崩壊することさえあるのです。なんとこれは地震より怖いことです。

まずはその核である「夫婦」の心と体の自由な動きの中で、互いの最大公約数を見つけ出すことです。なんてことはありません。今の家の間取りをちょっとリフォームするだけでも可能なことです。
つまり現代住宅の定型のプランではなく、あらゆる壁が柔軟に動く家を考えることです。つまり可動間仕切り、あるいは可動家具で家族や夫婦の事象に合わせて自在にプランが動く家を考えるのです。

夫婦を起点に家は形を変える

イラストは「夫の和の布団」と「妻の洋のベッド」という和洋対立する希望を一つの寝室にまとめたものです。ただ単純に別々の部屋に分けるのではなく、夫婦の好みを優先して中仕切りのパーティション(ふすま)で、時に一体、時に別々の和洋寝室になるように、狭いスペースを伸縮したり区切ったりするのです。それによって夫と妻それぞれの力が初めてモーメントを持って回り出すのです。これは親と子、あるいは親夫婦と子夫婦も同じことなのです。

夫婦の勝手な和洋寝室 時に一体時に別々(画:天野彰)
<イラスト:夫婦の勝手な和洋寝室 時に一体時に別々(画:天野彰)>

そうです。「家」はもともと「戸」で囲まれた「寝る戸」で「寝戸」、すなわち「いへ」なのです。住まいの原点は「夫婦の寝場所」なのです。そこで夫婦を中心とした家族が安心して休み、子どもたちは育って行き、さらに親たちの同居も自由にうまく回って行くのです。互いの「個」そう、ベクトルがそれぞれの役割を持って大きなモーメントとなるのです。

次回は「いよいよ家を建てる」です。

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★毎週土曜日 最新コラム公開中!   次回お楽しみに♪

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表