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建築家 天野 彰 同居は少子高齢化を救えるか?(4)やりくりからくりどんでん返し

―表題から「やりくりからくりどんでんがえし」とは何事か?と思われますが、これが少子高齢化を救う?「同居の手法」なのです?―

○今回のポイント 1 狭くても、独立できる空間を必ずつくる
○今回のポイント 2 「空間」のやりくりで将来を見据えた同居の家づくりができる
○今回のポイント 3 壁で仕切らず、可変式な空間をつくることが重要

親と子さらには孫の居場所をやりくりしてつくり出すことが重要

「やりくり」とは同居の親のスペースと子のスペースの位置と広さの平面的な間取りの取り決めで、これにキッチンやトイレ浴室さらに子であり孫の居場所や部屋の位置が重要となるのです。こうした建築的な空間のやりくりに加え、食事やトイレはもとより入浴のタイミング、さらには寝る時間など親のサイクルをよく考え、互いが遠慮したり、気を使わないように工夫することなのです。
そのためどちらかが小さくとも二つのキッチン、さらに浴室などを設けるのです。そして体力の相違から寝る場所はもとより、くつろげる場所も狭くとも二つに仕切るなどの工夫が必要なのです。

親子だからそんなに気を使うのもおかしいのではと思われそうですが、考えてみれば例え夫婦と言えども寝る時間やエアコンなどの温度差があるのです。まして親子と言えども子夫婦の一人は婿か嫁であることを考えるのです。まさのここでも、「空間」「時間」そして「人間」のやりくりが必要となるのです。

やりくりからくりどんでん返しドア一枚で上下二つの家 H様邸(画:天野彰)
<イラスト:やりくりからくりどんでん返しドア一枚で上下二つの家 H様邸(画:天野彰)>

空間に可変性を持たせることで、現在そして将来の独自の空間の使い方ができる

では、同居の「からくり」とは何でしょう?そうです、まさにこれも「空間」のやりくりを「時間」と「人間」で上手に行う「からくり」のことなのです。所詮狭いスペース、これを小刻みに壁で仕切るのではさらに狭苦しくなります。

この矛盾を解決するからくりとは、「空間の可変」で解決する?のです。
なんてことはありません、今まで二つだった団らんスペースは大きな引き戸で時に一体に、さらに親のスペースと子のスペースの間に鍵のかかるドアを一枚設けて、その開閉で一体同居、時に完全分離の家に使い分けることです。

では「どんでん返し」とはどう言うことでしょう?
これこそがこの「同居」の本来の姿と言えるのです。まさしく親のスペースは将来の子夫婦の家となるのです。そして子夫婦のスペースは孫たちが住むかもわかりません。あるいはアパートとして人に貸すこともできます。実際に子の側が転勤などで地方に引っ越した後、先のドアに鍵をかけて、人に貸すこともできるのです。

これが同居の「やりくりからくりどんでんかえし」なのです。

同居住宅T様邸の外観
<階段のドア枚で二つの家にT様邸(設計:天野彰)>
T様邸 1階親の和テイストの空間
<T様邸 1階親の和テイストの空間(設計:天野彰)>
やりくりからくりどんでん返しドア一枚で上下二つの家 H様邸(画:天野彰)
<T様邸 2階子夫婦の勾配天井の空間(設計:天野彰)>

次回は子育て親の老いの安心、そして「契約同居」?です。

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★毎週土曜日 最新コラム公開中!   次回お楽しみに♪

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表