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住宅関連記事・ノウハウ

建築家 天野 彰 夫婦の家(5)「も、少し色っぽくしては?!」

―今の家には色気がない?―

○今回のポイント 1 近代化された、住まいは遊び心がなく、日本の家の芸術的な“色気”が失われた
○今回のポイント 2 夫婦で暮らす家を基準にムードを大切にした家づくりが必要

正月早々ですが・・・あえて、今の住まいに色気があるのでしょうか?久しぶりのこの正月休み夫婦水入らずの時を過ごされていかがだったでしょうか?

今の家は遊び心に欠けている?日本の伝統が失われている。

ハウスメーカーや建築家などの設計者は生真面目なのか?狭小住宅だからか?ローコストのためか?遊び心がなく面白げがない。“愛の巣”であるはずの家は色気がなく面白くありません。
かつて私たちの家には大工や左官さらには庭師たちが醸し出す匠の風情、そうそれらには色気がありました。海外の建築家仲間たちと話す時、「日本の絵画や文学から見る風情はなぜか艶っぽいはずなのに実際の今の家は近代建築でクールに空虚で空しい」などと言われることが多いのです。

なるほど彼らが目にした歌麿や広重そして国芳や国貞の浮世絵に見る江戸の風情は確かに艶やかで色っぽく奥の深い凝った演出がされたものが多いのです。その背景にある街や住まいに限らず、庶民の生活そのものには遊びが優先されあらゆる芸術文学そして武芸にまでも営々と美が追及されていたのです。それが急激な近代化の波に押し流されてしまったのかもしれません?

そのため継承すべき文化は剥ぎ取られ、あっと言う間にそれらが高層化され、さらには持ち家政策に鼓舞されて狭小住宅となり、今日の工業化されたハウスや分譲住宅となっています。彼らの厳しい指摘は、「今の日本は伝統とは名ばかりの付け足しの継承的模倣が多く、真の伝統文化が失われてしまっている」彼らが期待してきた価値観はそのことかも知れないのです。

確かに「桧の家」を代表する日本の家、さらには木舞や漆喰の左官壁、本物の木組の素材感は日本人の心の底にあり、家族、その夫婦、そしてその原点の男と女の健康と美、そしてあの潤いのある“色気”が心地よく醸し出されていたのです。

LDK浴室までも透明に(画:天野彰)
<イラスト:LDK浴室までも透明に  写真:狭い2階家を鏡の多様で広く明るく一体に(画・設計:天野彰)>

子が巣立ち夫婦の家をつくる際には、“色気”を大切にする

今、子どもたちが育ち出て行って、改めて夫婦と男と女を見直してリフォームをしたいものです。その健康と美、そしてその“色気”が醸し出される家、特に浴室や脱衣室。さらには寝室、間仕切りの壁も変化のある開閉式にし、ムード照明や間接(建築)照明、さらに鏡さえも多用して、広々とさらに開放的空間にするのです。

そう、ムードのある「夫婦だけの空間」にするのです。
「そんな、今さら恥ずかしい!」と?

そう、これこそが色気の原点で、美容や健康で長生きの住まいとなるのです。 次回から改めて、「家相どこまで従う?」です。

中庭にオープン浴室(天野彰)
<写真:中庭にオープン浴室(設計:天野彰)

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★毎週土曜日 最新コラム公開中!   次回お楽しみに♪

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表。

 一級建築士天野 彰 公式ホームページ
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