<いずれ起こる相続を活用した資金計画>
親の財産をあてにする資金計画は賛否両論ありますが、親にも子どもにもメリットのある資産活用はやって損は無いでしょう。
例えば、親には普通預金があるが、年0.1%の利息しかつかない、一方子どもの抱える住宅ローンの金利は4%である場合です。
親が子どもに年2%で貸し出しをすれば、親は預金よりも多くの利息を受け取れ、子どもも金融機関に払う利息よりも少なくて済み、双方メリットがあります。
親子間でのお金の貸し借りをするよりもすっきり贈与したいという場合も多くありますが、普通の贈与の仕組みを使うと、年間110万円を超える贈与には贈与税がかかります。
「私みたいな普通のサラリーマンのところに税務署なんか来ないから大丈夫。」と、500万円の贈与を受けて贈与税の申告をしないで家を購入したりしたら大変です。
家はきちんと登記がされますし、固定資産税、不動産取得税の対象として記録されます。
個人の収入も勤め先の会社が申告していますし「この年収でこの家が買えるのはおかしい。資金の出所を探る必要がある。」と税務署でチェックされたら、すぐわかります。「バレないだろう。」と脱税行為は決してしないでださい。
脱税などしなくても合法的にきちんと親から子どもへ資産を贈与する方法があります。それが「相続時清算課税制度」です。
65歳以上の親が20歳以上の子どもに贈与する場合、2,500万円までは贈与税を払う必要がない制度です。ただし、贈与税がかからなくとも申告は必要です。
この制度を一度選択すると、その親との間で普通の贈与の仕組みを使うこと(1年で110万円の贈与税の非課税枠を使うこと)はできません。
2,500万円(累計)を超えた場合、超えた金額の20%を贈与税として支払います。
そして、その親が亡くなったとき、その時点での相続財産に、生前に贈与した財産を加えて、相続税を計算します。
しかし、親が65歳以上という条件があるため、マイホームの資金の贈与を受ける年代の子どもの多くは、この制度を使えない場合があります。
その解決のために住宅取得のための贈与の場合には特例があります。
住宅取得の資金の贈与であれば、親は何歳でもいいのです(子どもは20歳以上)。
さらに、非課税枠が2,500万円のところ、住宅取得資金に限っては3,500万円までに広がります。
この住宅取得資金の特例は「お金」を贈与しなければ適用されませんので注意が必要です。
また、「相続時精算課税制度」を利用する際は、他の相続人との調整をとらないといけません。
相続税の計算をする際は相続時精算課税制度を利用した贈与分を相続財産に戻しますが、相続が発生した際の遺産分割協議にどのように評価して反映させるかはもめるところです。
「相続時精算課税制度」は便利な制度ですが、軽率に利用すると大変なトラブルの原因になりますので利用の際は相続の専門家に相談することをお勧めします。