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注文住宅でコストダウンをするポイント
現在、家づくり・リフォームのプランを検討中で、ご自身で捻出できる予算とご要望の差をなかなか縮めることができずご苦労されていらっしゃる方々が、最近とみに増えていらっしゃる。というお話をあちらこちらから聞き及んでおりますが、読者のみなさまはいかがでしょうか?さて、土地から探す場合、希望通りの物件を予算内で見つけるには時間がかかります。価格が高い物件は好条件ですが、どうしても予算内に収めなければ条件を見直す必要があります。
同じく、建物本体についても、グレードをあまり下げずにコストをできる限り抑えるためには、優先順位をしっかり見直す必要があります。では、今回は土地・建物を選ぶ際に譲れない条件を整理するポイント、ならびに注文住宅でコストダウンをするポイントについて解説しましょう。
1 注文住宅の土地について
もっとも譲れない条件として、アクセス・生活環境を挙げる方が圧倒的です。最寄り駅にこだわらない、駅やバス停から多少遠くてもいい、という条件ならば物件価格は下がります。たとえば駅やバス停から遠くても、徒歩圏内に幼稚園や学校、商店などの施設が整っているほうが便利ということもあるでしょう。
現在の生活環境だけで考えるのではなく、将来の生活環境を考えたとき、何が近くにあると便利か考えてみることが大切です。あわせて、建物について、譲れない条件も整理しましょう。新築にこだわると、どうしてもコストは高くなります。築年数の浅い中古をはじめ、建て替えにこだわるのではなく大規模なリフォームも選択のひとつに加えると、選択の幅が広がります。ただし、中古物件はリフォーム費用が予想以上にかかる場合もあるので、総合的に判断するのがポイントです。
2 注文住宅のコストダウンのポイント
まず、見積もりは数社からとって比較することが大切です。もちろん価格だけで比較することはお薦めできませんが、各社の価格の根拠を比較することで、適正な価格の住宅会社を選ぶことができます。
次に建築費を抑えるにあたり、有効なポイントのひとつは間取りです。凹凸や仕切りが多く複雑な間取りは、工程が複雑になり、建築材料のロスも増えることから、できるだけシンプルな形状に留め基本モジュールの寸法に沿った間取りのほうがムダが減るのです。あわせて、バス・キッチン・洗面所などの水まわりは場所を集中させたほうが、工事費を抑えることができます。あわせて有効なのは、適正な建築材料を絞り込み、それぞれ多めに活用すること。異なった建設資材を組み合わせる場合、その種類が多ければ多いほど工程が複雑になり職人さんの人件費も増えてしまいます。もちろん安い材料にこだわるのではなく、その利用する場所に応じた適正な材料を選んで使うことが大切です。
3 注文住宅住宅設備について
ユニットバス・システムキッチン・トイレなどは異なったメーカーのものを使うよりもできるだけ同じメーカーのものを使うほうが、結果として全体での値引き交渉をかけやすくなります。もちろん、施主自身が調達する施主支給もありますが、できるだけ同じメーカーでまとめたほうが、結果として施主支給よりもコストが下がる場合もありますので、なにからなにまで施主支給にこだわるのではなく、住宅設備メーカーの絞り込みによるコストダウンと比較しながら施主支給のデメリット(たとえば、各資材の納期調整や、予定より早く届いた場合の資材保管場所の検討、ならびに職人さん待機状態で資材が未着だった時のリスクなど)を理解のうえ、上手に組み合わせるのがおすすめです。
4 注文住宅コストダウンしてはいけないもの
建物を支える地盤の状態を調べる地盤調査や地盤改良工事をはじめ、基礎・土台・柱・梁(はり)など、家の安全・構造にかかわるものは、決して根拠のないコストダウンをしてはなりません。あわせて、あまりにもコストダウンしてしまうと建物内部への水の侵入を招き、結果として建物の寿命を大きく縮めることになりかねない断熱や防水(仕様・工事)もコストダウンしてはいけないもののひとつです。それぞれ、建物の強度や寿命、安全性などに密接に関連するものです。長持ちさせる住まいにするためには、上記で述べた住宅の基本性能と安全にかかるものをコストダウンしてはいけません。
建築時に多少のコストアップは覚悟しながらも100年近く住める家にするか、20年ほどで建て替えを余儀なくされる家か。長い目で見ると、前者のほうがランニングコストを抑えることができるのです。
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