住宅関連記事・ノウハウ
「収納」はもっと楽に考える「壁面収納」
阪神・淡路大地震のあの突き上げで破壊され焼失した直下型の地震の脅威とその後の新潟・熊本、さらに沿岸部では能登地震のように直下型に加え、東日本地震での津波を想起させられる脅威と倒壊焼失の両攻めの災害となりました。
たびたび起こる地震に、幸い強い呼びかけと素早い避難で多くの犠牲を出さずになってはいますが・・・、地殻の変動で地盤の変形が大きく修復復興にはさらなる困難が伴いそうです。わが国の住まいは沿岸部に多くの人が住み、さらに高齢者が増えインフラの老朽化ともに住まいの安全環境は厳しいものです。
1 収納が凶器!逆に防御となる?
しかしとは言え、積極的な自衛も必要で、阪神大震災以後の教訓から家具の転倒さらには軽微な耐震補強で住まいと命を守ることもできているのです。特に高齢者が寝る場所には転倒の危険がある背の高い家具は絶対置かず、物も積み上げず、いざという時に逃げるルートが塞がられないようにすることが重要です。しかし突然の強震で家が破壊され、天井や梁が落ちて来たらたまりません。それには寝場所だけを覆う強靭な柱梁のパニックルームのようなフレームで囲ったり、リフォームの際など部屋自体の柱梁を補強することも必要です。
が、なんと!“転ばない収納家具”で部屋自体を補強することも可能なのです?
2 なぜ置き家具が転ぶか?
実際に各地の地震では家が壊れなくてもタンスなどの収納家具によって怪我をしたり、逃げることが出来ず犠牲となった人も多いのです。
そもそもあのように重い家具がなぜ転ぶのでしょうか?それはまさしく重いからです。揺れで重い頭が降られれば図のように弧を描いて、簡単に転ぶのです。冷蔵庫などは物が詰まった重い扉が開いて弾みで転びやすいのです。
壁や天井に金具で留め、簡単なつっかい棒で固定するなどしますが、なんと震度6以上の揺れにはほとんどの金具は外れ飛ばされ、つっかい棒は天井に突き刺さってしまうのです。やはり家具全体を天井までの高さにきっちり合わせ、床と天井に面で支えることが重要なのです。壁面収納は造り付けが一番ですが、既成の飾り棚やタンスなどはその下や上にしっかりとした箱を造り、きっちりと隙間を無くすことが重要です。実はそのおかげで部屋そのものの補強となり、倒壊を防ぎ、最悪でも生存空間が生まれるのです。
3 収納は生活と簡単に考える
さあ季節の入れ替え時期でもあるこの大型連休に改めて収納を考え、難しく考えず自身の生活と物とをリンクすることが一番で、生活行動に合った限られた物だけを配置をするのです。まさしく生活と物とのマトリックスを簡単にイメージするのです。なんてことはありません、物を考えるのではなく、自身の普段の生活行動に合わせ、必要な物だけを身の周りに配置するだけでいいのです。
その他のものとりあえず普段使いにくい収納か納戸など別の部屋に保管するのです。それも簡単に放り込めるポケットのようなコーナーをつくるのです。後に時間が出来た時に捨てたり、整理をすればいいのです。
次回からはもっと楽な収納のつくり方をお話ししましょう。
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