【耐震補強・匠の知恵】第二章・構造材の一体化が強い揺れを持ちこたえる
火打ちは筋交いとともに構造材を一体化する
火打ちも筋交いと同じく木造建築の施工では欠くことのできない補強材です。
火打ちは、1m強の棒状の部材です。筋交いが壁のなかに取り付けられてはたらく補強材であるのに対して、土台の内部、そして横架材と横架材、梁と梁、桁と桁それぞれが直交する角に取り付けられる補強材です。
家を建て始めて、最初に火打ちを取り付けるのは土台です。
これを土台火打ちといいます。土台は家全体を支えるとても重要な部分です。
その土台を支えるのが基礎であり、補強するのが土台火打ちです。
基礎は1階の間取りとほぼ同じかたちに造られ、その上に土台が乗ります。
前に述べたように、コンクリートを打設してつくった基礎の上に土台を乗せ、アンカーボルトで両者を一体化するのです。その土台の内部に土台火打ちを取り付けることで縦横の一体化が図れるわけです。
地震が来たとき、壁のなかの筋交いはその揺れをもちこたえようと踏ん張ります。
すると、その揺れは筋交いと接合された土台に伝わっていきます。そして、その揺れの衝撃を今度は土台火打ちがもちこたえることになるわけです。 こうして筋交いと火打ちとは、たがいに連携しながら、土台、柱、横架材、梁、桁などを一体化にする大事な補強材です。
現場で思い通りに基礎ができ、その上に土台が乗り、土台火打ちがその隅々に取り付けられると、私たち大工仲間のあいだにも、「いい基礎と土台ができた」という満足感が広がります。依頼主(施主)も、「この上にこれからどんな家が建つのか」と期待に胸をふくらませてくれます。
この基礎と一体化にした土台の上に、1階の柱が建ち、横架材・梁・が架けわたされ、 その上に2階の柱を建てて同じように、横架材・梁・桁を架けわたします、そして横架材・梁・桁どうしのあいだにも土台火打ちと同じように火打ちを取り付けていきます。
こうして、家全体に、一本の木材が次の木材を支え、その木材がまた次の木材を支えるという、木材同士の次から次へと支え合う関係ができます。これを構造材の一体化といいます。
その役目を果たすのが筋交いと火打ちにほかなりません。
そして、木造建築は構造材の一体化が図られていなければ、強い地震の揺れを持ちこたえることはできないのです。