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住宅関連記事・ノウハウ

建築家 栗原守 光設計“坪庭”を!癒しの空間を作ろう

1 お風呂には“坪庭”を

私たちにとって、お風呂とは体をきれいに洗うというよりも、1日の仕事の疲れやストレスを解消し、リラックスする場になっているというのが本当のところのようです。だからお風呂はリラックスできることを第一に考えて計画するとよいと思っています。それにはある程度の広さが必要です。最低でも1坪、とれるなら1.25坪~1.5坪くらいは欲しいですね。

新堀HOUSE(埼玉県日高市)のお風呂。畳1枚分の坪庭に面しておおきな開口部をとっています。上部の壁と天井は板張り、坪庭も同じようにして広がり感を演出しています。坪庭には屋根がありませんので、雨や雪を見ながら露天風呂のようにバスタイムを楽しめます。

露天風呂のようなバスタイム

広くなると寒いのでは?という心配は無用です。適切な暖房設備を備えれば、広いお風呂でも快適に過ごすことができます。また、坪庭には緑や石、水など自然要素を取り入れることで、よりリラックスできる空間を演出することができます。

今は浴室にも簡単に暖房機がつけられます。暖房換気乾燥機というものを天井にセットすれば寒いときの暖房に使えるだけでなく浴室を雨の日の洗濯物の乾燥室にすることもできます。湿気でカビが生えやすい浴室も、乾燥させることで、カビの発生を抑えることもできます。タイルだと足が冷たいが、浴室の床用のコルクタイルというものもメーカーからは発売されています。またタイルでも、温感タイルといって温かく感じるタイルなんて製品も5年前くらいから市販されているので、そういった素材をじょうずに活用して居心地のよいお風呂を計画するといいと思います。お年寄りのためには、出入り口を3枚引き戸にして脱衣室から段差なく洗い場に入れるようにするのも良いですね。

露天風呂のようなバスタイム
町田HOUSE(世田谷区)のお風呂。中庭のデッキテラスに面していて、湯上がりにはテラスに出ることもできる。大きな窓で明るく開放的なお風呂です。

2 究極のストレス解消のお風呂

お風呂は日々のストレス解消に最適な場所です。忙しい日々の中で、お風呂に入ることで心と体をリフレッシュさせることができます。お風呂には独自のリラックス効果があり、温まることで血行が良くなり、筋肉の緊張もほぐれます。また、湯船につかることで心身の疲労を癒し、リラックス状態に導かれます。

快適なバスタイムを過ごすためには、お好みの温度や湯量、香りなどを調整することが大切です。自分に合ったバスソルトや入浴剤を使うことで、よりリラックス効果を高めることができます。

喜多見エコハウス(自邸)のお風呂

喜多見エコハウス(自邸)のお風呂。大きな坪庭を計画しています。バスタブには水に強い木である高野槙を使用しました。坪庭にはいろは紅葉を植えて和風旅館の雰囲気を楽しんでいます。

坪庭を計画するともう一つ利点があります。それは坪庭に面した大きな窓から換気がしやすいことです。そのためカビが生えにくくなり、壁や天井を板張りにすることも可能です。浴室の腰から下はタイル張りで、上部の壁や天井は板張りにすることが多いです。木の香りが漂うお風呂は、完全な温泉旅館の露天風呂のような感覚を味わうことができます。日々の疲れやストレスが簡単に吹き飛ぶこと間違いありません。

3 リビングには“中庭”を

リビングルームに中庭を取り入れることで、開放感や自然の豊かさを感じることができます。中庭は屋内と屋外を繋ぐ空間として機能し、室内に自然光を取り入れることもできます。中庭には植栽や小さな水場を配置することで、さらなる癒しの要素を加えることができます。

模型の住まいの中庭

模型の住まいの中庭。平屋の住まいの真ん中に8畳のデッキを設けた中庭があります。ひめしゃらを植えて、季節の移り変わりを身近に楽しむことができます。

中庭はリラックスや集中力の向上にも効果的です。自然の要素が取り入れられた空間で過ごすことで、心地よい環境が生まれます。リビングルームでのくつろぎや家族とのコミュニケーションの場として、中庭を取り入れることを検討してみてください。

4 中庭リビングルーム!活用方法について

中庭を取り入れたリビングルームは、さまざまな活用方法があります。以下はいくつかのアイデアです。

  • ガーデンスペースとして:中庭に花や植物を配置し、リビングルームから緑豊かな景色を楽しむことができます。
  • リラックススペースとして:中庭にソファや座椅子を配置し、自然の中でくつろぐことができます。
  • 読書スペースとして:中庭に本棚や読書スペースを設けて、静かな空間で本を楽しむことができます。
  • 家庭菜園として:中庭に野菜やハーブの栽培スペースを作り、自家製の新鮮な食材を育てることができます。

左:府中市の高野HOUSEの中庭。6畳の中庭から光と風を取り込んでいる。
右:狭山市の西HOUSEの中庭。玄関ホールともつながっている中庭
中庭

小さな面積の住まいでも中庭を計画することは可能です。

これらはあくまで一例であり、中庭を活用する方法はさまざまです。自分や家族のライフスタイルに合わせて、中庭を自由に使いこなしてください。

最近では16坪の住まいの真ん中に6畳分の中庭を計画したこともあります。この6畳分の中庭のお陰で、この小さな住まいには光と風が溢れ、ヤマボウシの葉こぼれの光を楽しみながら1日中家にいても飽きることがありません。中庭を計画することで、季節の移り変わり、雨や雪、日の光、風の流れをいつも身近に感じながら暮らすことができます。お酒好きのお父さんには何よりの酒の肴のはずです。いつもは自分の部屋でテレビや音楽に夢中の子供たちもリビングに出てきて、お父さんと一緒に雪景色を眺めるかも知れません。

雨や雪が落ちてくる屋根なしの一見無駄なスペースの中庭ですが考えようによっては家族の心を温めてくれるかけがえのない空間になるような気がしています。

世田谷区の町田HOUSEの中庭
▲世田谷区の町田HOUSEの中庭

細長い敷地を生かして大きな中庭を計画した住まい。

中庭特集いかがだったでしょうか。お家に中庭を設けて日常を少し豊かにしてみませんか。

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建築家 栗原守建築家 栗原守

建築家 
栗原守
光設計

1949年埼玉県生まれ。
上智大学文学部フランス文学科卒。
埼玉県狭山市役所に勤務しながら、夜間の早稲田大学専門学校で建築を学ぶ。CORE 建築都市設計事務所勤務を経て、1987年現事務所を設立。
『呼吸する住まいをテーマにサステイナブルな住まいを設計しています。呼吸機能のある自然素材をできるだけ内装材として使い、住まい全体が自然の状態で呼 吸をして、住まいの中の湿気を調節する、そんな「呼吸する住まい」の設計の仕事を進めると同時に、地域に根づいた工務店や材木店と協力しあい、自然素材を使用した住まいをできるだけローコストで施工できるようなネットワークづくりも進めています。』