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住宅関連記事・ノウハウ

建築家 天野 彰 リフォーム事情 様変わり?

1 リフォーム事情 様変わり?

長い間に渡って家相の仕組みやルールについてお話してきましたが、調べれば調べるほど家相は住まいの構造やプランニング、さらには住む人の感性や心理まで係わっていることに気づきます。古来からわが国の風土や気候さらには家族関係などを考慮した家づくりの手本のように思えるのです。家相盤の24方位に「何があって、何があってはならないか」が示されており住まいの風通しや湿気対策、さらには火災などの災害を危惧していることがうかがわれます。このことに従うと言うよりこのことを考えることが大切で、なるほど住みやすい良相の家となるのです。

実際のリフォームの打ち合わせの場面でも、かつて快適性や耐震性など従来のリフォーム事情とはかなり違った様相がうかがえることに気が付いたのです。実際に製作スタッフと番組をつくる側に立ってみますと、なんと、「いったいこのリフォームの必然性はなんですか?」とか「その費用のメリットは?」などと、極めて現実的ストレートな疑問が湧いて来て、ついには、「あと15年持てばいいですよ!」などと恐るべき発言さえ出て来ることも多いのです。なるほど少子高齢化は思いのほか早く進み、年金の目減りの悲壮感もあり、リフォームローンなどそうやすやすとは借りてはならないと思うのです。そこで“あと何年生きるか?”などの恐るべき発言となりかねないのです。これが昨今のリフォーム現場の実際なのです。

  • ・ これから一体住まいに何を目的とすればいいのか?
  • ・ 耐震はどこまでやればいいのか?
  • ・ 快適さとはいったい何か?
  • ・ その効果は?
  • ・ あと何年持てばいいのか!となるのです。

天野流?家相盤、家よりわが命の時計
左:天野流?(いろいろな流派を集大成した)家相盤 右:家よりもわが人生!?お馴染み住まいの人生時計(画:天野彰)

2 終の住まい”とはいったいどんなものか どこに住めばいいのか

ケア付きの老人ホームや老人保健施設、はたまたサコジュウすなわち「サ高住」なるサービス付き高齢者住宅やコウセンチンなる高齢者専用賃貸住宅などなど、これからの住宅はまるで「老人市場」の様相を示しているのです。

その一方で高齢者が住まなくなった空き家が全国に700万とも800万戸とも言われ、さらに高齢世帯や独居老人世帯などは全世帯の三分の一以上ともなっていると言うのです。これはとんでもない数値です。これこそがわが国の住まいの特徴的な現状なのです。この現象は一体なぜなのでしょう。今やあまり語られない1945年までの大戦後のベビーブーマーの「団塊」と呼ばれる世代の老後の住まいの実情なのです。急激な経済成長を遂げ、多くの人たちがマイホームを建て、今それが3、40年経って子どもたちは皆出て行ってまるで“抜け殻”のような住まいとなっているのです。しかも老朽化が進んでいるのです。

どんどん建つ超高層ビルとマンション
左:ますます高層化される一部の地域 右:反面住宅地には危険な家屋が建ち並ぶ(阪神大震災より)(天野彰)

ところが今後の年金不安などで老後の資金は使えず家には手を加えられず、だからと言って、そうそう家を手放せない?のです。そうこうしている間に本人たちがさらに高齢化して片方が入院や寝たきりなどになるとこうした家や土地は朽ちるに任せることになっているのです。こうして都心部の住宅一等地はますます危険となり過疎化することになり。湾岸などに高層住宅が立ち並ぶことになるのです。こうして今わが国の高齢化問題は都市問題や経済の大きなジレンマとなっているのです。

一体どうしたらよいのでしょう?

日テレ番組「解決!ナイナイアンサー」にて「平成のぶしこぶし」の吉村さん親子の真剣な思惑や葛藤を実例に“終の住まい”探しや家のリフォームなど、この先9月30日(火)12月9日(火)そのリフォームの経緯など放送さされましたが、その理想と現実とは一体どうなるのでしょう。

日テレ「解決!ナイナイアンサー」にて放送された高齢者に危ない家タイトル(画面より)
日テレナイナイアンサー 高齢者に危ない家タイトル(天野彰)

3 現代のリフォームについて

現代のリフォームは、どうしてもこの先の生活、特に“終の棲家”を意識せざるを得ません。これは中高年に関わらず若い人の問題です。なぜなら家を建てよう、あるいはリフォームしようなどと考えた瞬間に、老いた父母の近い老後の生活を考えなくてはならなくなるからです。それも急激な少子化で、一人っ子同士の夫婦は今元気な4人の老親の介護や医療を意識せざるを得ないことになります。

  • ・ その親たちも今の家を簡単な手直しをするか?
  • ・ あるいは根本的リフォームか?
  • ・ 処分して老人ホームかケア付き?
  • ・ マンションに移るか?などと迷うのです。

しかしどの国も体験したことがない一気に高齢化した今、即老人施設を考えるのも不安で、やはり今の家を何とかし、家と共に長寿命をまっとうしたいと考える人も多いのです。

さて、では今の家を思い切って建て替えるか?その際に必ず浮上する考えが「同居」です。
どうしても職場が離れて別々に住まなければならない親子も今は無理としても、核家族で暮らした親子も子どもたちが成長したのちは同居を選択した方が双方とも本質的に安心と考えるのかも知れません。

もともとわが国は、狩猟民族の西欧文化と違い、農耕民族の私たちは、いまだにあらゆる生活や文化にその特性があり、同居や二世帯住宅など、日本独自の言葉であり文化なのです。

白川郷合掌造り、現代の3、4世帯同居の家
大家族の白川郷合掌造り(天野彰)現代の大家族 3、4?世帯同居の家(設計:アトリエ4A)

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表。

 一級建築士天野 彰 公式ホームページ
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