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賃貸住宅の利回りの考え方【必要な諸経費・雑収入】
1 賃貸住宅の利回りの考え方
投資物件の売買情報を見ると、"収益アパート・利回り○%"というキーワードや、高い利回りでお買い得度を測るような記事など、利回りという言葉が必ず出てきます。この利回りとは、投資額に対してリターン(収益)がどれくらいあるかを測る尺度のこと。預貯金や債券、株式などの金融資産を運用する場合にはごく一般的に使われる言葉です。不動産投資における利回りの意味づけは、投資額に対してどれほどのリターンが得られるかを見極める指標として捉えられています。
不動産投資における利回りは、大きく表面利回りと、実質利回りの2種類
表面利回り(グロス)
表面利回りとは、年間の家賃収入の総額を物件価格で割った数字を指します。物件を探す際に「表面利回りで○%以上」と、最初の目安として対象物件を絞り込むときに使うのが、この表面利回りという指標になります。
計算方法
表面利回り=年間収入÷物件価格×100
実質利回り(ネット)
実質利回りとは、年間の家賃収入から諸経費(管理費や固定資産税など)を差し引いたものを、物件価格に購入時の諸経費(登録免許税など)を足したもので割った数字です。
計算方法
実質利回り=(年間収入-諸経費)÷(物件価格+購入時の諸経費)×100
以下、具体的な例をあげて計算してみましょう。
上記の不動産を購入して運用する場合、表面利回りと実質利回りでは以下の違いが生じます。
表面利回り(%)
500万円÷5,000万円×100=10.0%
実質利回り(%)
(500万円-100万円)÷(5,000万円+300万円)×100=7.5%
ここで注意しなければならないことは、実質利回りとは年間の諸経費によって変動することから、あくまでその年ごとに変化する数値なのです。なお、不動産会社が物件の広告を行う際には、表面利回りを用います。
想定利回り
表面利回りだけではなく、想定利回りという表示を行なう広告もあります。この想定利回りとは、周辺賃料を元に満室時を想定した年間の賃料収入を購入価格で割った表面利回りで、あくまで不動産会社がつけています。収入の基準となる家賃も、その物件内の最高額で記載されている場合が多くあります。賃料等が変動すると利回りが変わる可能性が高く、想定賃料収入が将来にわたり確実に得られる保証はありません。賃貸住宅経営 必要な諸経費と雑収入賃貸住宅経営に必要な諸経費と雑収入について、解説します。
必要な諸経費
賃貸住宅経営では、家賃収入はそのまま純粋に収益にはなりません。購入から運用にあたっては、たくさんの資金が必要です。諸経費とは、購入時の仲介手数料、登記費用をはじめ、毎年必要な固定資産税、火災保険、各種管理費、修繕費用などです。
購入時にかかる費用
- ・仲介手数料(物件によって無料)
- ・各契約書の印紙代
- ・不動産登記費用
- ・火災保険料(最大で10年毎に更新)
- ・ローン利用時の事務手数料
- ・不動産取得税(購入後1回支払い)
運用時(物件を持っている間)にかかる諸経費
- ・固定資産税
- ・都市計画税
- ・賃貸管理費
- ・建物清掃
- ・消防点検
- ・機械メンテナンス
- ・共用部分の水道光熱費
- ・原状回復費用
- ・入居者募集費用
- ・修繕積立金
- ・地震保険(5年毎に更新)
計画段階から、上記のような諸経費がどれくらいかかるのかを確認しておくことも大切。しっかり押さえておきましょう。
獲得できる可能性がある雑収入
賃貸住宅経営計画の作成にあたっては、計画地から収入が得られそうなことも、あわせて考えてみましょう。各々の収入はそう大きくなくても、積み上がると無視できないほど大きな金額になる可能性もあります。
運用時(物件を持っている間)に獲得できる可能性が高い収入について
- ・駐車場代
- ・駐輪場代
- ・バイクガレージ代
- ・看板
- ・中継局アンテナ
- ・自動販売機
- ・太陽光パネルなど
2 賃貸住宅のまとめ
収益物件の購入や賃貸物件の建築などを検討中の方は、売り手側が言う事をそのまま鵜呑みにせずに、本当に購入メリットや建築メリットが得られるのか、良く考えましょう。たとえ、賃貸住宅を建てることで相続税の評価が安くなったとしても、その住宅からの収益が落ちるのであれば、その投資は決して相続対策になりえません。しかし一時的な損を確定させるかわり、将来的に継続して発生する可能性がある、より大きな損害を被らないようにするという行為も投資の考え方のひとつです。
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