<[2]完全分離型:家の諸機能と諸設備を全て分離するタイプ>
不規則で残業の多い若年世帯と、規則正しい安定した日常生活を送る熟年世帯というような、
全く生活サイクルの異なる世帯が同じ場所に住む、現代の姿に沿った都市型2世帯住宅であり、現代長屋といえます。
玄関からキッチンや浴室などの住設備がそれぞれ戸別にあるために、2世帯住宅のなかでは建築費用が割高傾向
にはなりますが、2軒を建築するよりは経済的であることと、形状的に世帯間の生活時間のずれによる問題が生じにくいために、
都市部で最も推奨する型式です。今回は2階建てに絞って話を進めていきますが分離の形状により
2-a.上下階分離外階段方式
2-b.上下階分離内階段方式
2-c.左右分離メゾネット方式
の3つに分類して説明したいと思います。

▲完全分離型 外部階段形式
<[2-a]上下階分離外階段方式:外部階段型式 >
世帯間を上下の階で完全に分離する形態のうち、上階の世帯の2階にある玄関まで外部階段で移動するタイプです。
このタイプでは生活時間帯の相違がもたらす上階の下階への生活音をできるだけ解消することや、
お互いの生活音がストレスにならないように上下階の用途同士の関係や配置を充分に検討する必要があります。
音のことを優先すれば、不規則な若年世帯が下階で、滞在時間が多く子供のいない熟年世帯が上階にあることが本来は理想的です。
しかし年配者の上下の移動やエレベーター設置等の費用を考えると上階が若年世帯とする場合が一般的です。
この場合には年配世帯の寝室の直上や近くに、2階の玄関や外階段を配置してしまうと、
深夜の帰宅音が下階の安眠を妨げてしまいかねません。
子供部屋や小さな子供がいる場合はリビングの位置も充分注意して計画する必要があります。
外部階段にすることの最大の利点は建築面積の緩和が受けられるため、2階に上がるための階段室により1階世帯の面積が犠牲にならず、
1階もフルに面積が活用可能なことです。都市部の狭小地などでは威力を発揮します。
そして将来の状況によっては一方の世帯を丸ごと他人に貸すことも可能であり、ここでもドライな都市に相応しい型式といえそうです。

▲完全分離型 外部階段形式(左:1F部分の玄関『カドの家』 右:外部階段の例『本の栖』)
次に、2)完全分離型 -b)上下階分離内階段方式の2世帯住宅について
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