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建築家 天野 彰 冬は灯りが暖かい!節電は創造力で

冬は灯りが暖かい!節電は創造力で

 昨年の3月11日以降「計画停電」などと初めて聞く用語に首都圏は包まれたのです。
 銀座の灯は突如消え、真っ暗になりガソリンスタンドに長蛇の行列ができたのです。

2011年3月11日以降の真っ暗な銀座4丁目
■写真1:2011年3月11日以降の真っ暗な銀座4丁目(天野彰)

 それまで省エネなどと、あまり意識しなかった真のエネルギーの恩恵を停電の恐怖と節電の義務で改めて再認識したものです。
 誰もが電気を消し、非常用電源を探し回り、乾電池が店頭から消えたのです。その後、原発はすべて停まり日本全国がこの節電ムード一色となりました。
 そして「再生エネルギー」などと今まで太陽光発電とか、売電などと言ったムードが今やメガソーラーなどと大がかりな投資ブームとなっているのです。

 思えばその38年前の1973年秋、第四次中東戦争のさ中、アラブ諸国の原油高騰から政府発布の原油価格の引き上げ宣言で突如、トイレットペーパーが店から消え、物がなくなり銀座の灯が消えた石油ショックを彷彿とさせました。
 その後景気が傾き、私たち建築にかかわる者は材料が高騰し現場は動かず見積もり調整を強いられ、その後の78年イラン政変による第2次オイルショックの後まで苦渋の生活を強いられたのです。
 資源を持たないわが国の経済や生活はすべて「油」によって生かされていることをまざまざと思い知らされものです。

 幸いなことにLED照明が普及しつつあり、この灯りについてはそこそこの節電が可能となっているのですが・・・、
 気になるのはリビングダイニングキッチンや寝室などの照明について、突如すべてLED照明に変えてしまい、白熱灯の独特の暖かさを失いかねないことです。

 たきぎ、たいまつ、ろうそく、カンテラさらにガス灯など、火をたいて夜の闇を照らしていた生活から、トーマス・アルバ・エジソンの明るい電灯の発明から人類の生活は大きく変わったのです。
 幸いなことにその光源は日本産の竹を焼いて作ったと言われる炭素繊維で、安定した燃える光を放つ電灯で、頬を照染めるあのたきぎの波長に近い、まさに灯りなのです。
 それが灯りと言われるゆえんなのです。

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表