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住宅関連記事・ノウハウ

建築家 天野 彰 親子「同居“共働”住宅」

親子「同居“共働”住宅」

やはり嫁姑こそあえてべったり同居する方が多少の諍いも解決が早く、さらに義母からいろいろと学ぶことも多く、孫には半世紀にもおよぶ生きた情報やマナーが伝えられるのです。共働きの子夫婦にとっては子どもたちを預けて安心して出かけられるのです。これこそが親子の「同居“共働”住宅」であり、親子夫婦それぞれの役割が発揮でき、生産性も高い「同居」となるのです。

その反対に娘同居は放っておいても、べったりとなってしまい、まさに互いが甘えて依存し過ぎることになり、かたよった「同居“共働”住宅」となる危険が多いのです。そこで親、娘夫婦をあえて「二世帯」に分けて自立した生活ができるようにするのです。この結果、案外軽視されがちな娘の夫、すなわち婿の立場も阻害することがなくなるのです。肝心の娘はいくら二世帯に分けてドアを別々にしても勝手に入って来て、たとえ親娘で喧嘩をしても“親娘だけに”すぐにやって来て関係は修復されるのです。

最近は長寿で親夫婦はもとより祖父母も元気で、四世代が一緒に住む例も多い。これを中国の故事で「四世同堂」と言う。まさに「鶴は千年亀は万年」ののようにめでたいことと言えるのですが、二世帯住宅はマンションと同じように、たまたま親子が住む共同住宅のようで、親子が“共働”して住む同居ではないのです。年齢がひと回りも違う親子夫婦がせっかく一緒に住むなら、経済的なことばかりではなく、一緒に住む安心感や愉しみ、さらには世代の違う夫婦が互いに学び、助け合う価値観を持ちたいものです。

同居の住まいの設計は難しいものです。一組の夫婦が住む家でさえ、双方の希望や意見がそれぞれ10通りずつ出るとすると、夫婦で10×10=100で、なんと100通りのプランができるのです。

これが親子の同居となると親、子夫婦それぞれで100通りのプランとすると、なんと100×100 で1万通り!のプランが生まれることになるのです。親子夫婦4人の意見や希望を際限なく聞いて、全員の要望に合ったプランなど出来ようはずがないのです。

そこで面倒となり、やっぱり「二世帯住宅」になるのですが、この二世帯住宅は同じ土地に同じ屋根と基礎で建築コストも割安となるものの、光熱費や生活費は二世帯が別々のために期待できず。互いが勝手に暮らせる反面、そのバランスが崩れた瞬間、かえって不自由となることも多いのです。

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表