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住宅関連記事・ノウハウ

建築家 天野 彰 消費税アップでますます遅れる被災地の復興

消費税アップでますます遅れる被災地の復興

 そんなおりもおり、震災後一年が経ってもいまだに生活の場もなくそこに住む家もその構想も持てず、その兆しさえもない中、やりきれない思いで仮設住宅生活を送っておられる多くの被災者の皆さんのことを思うと、今改めて快適な住まいの重要性と、その家が持つ福祉の価値を思い知らされます。

被災地の写真1被災地の写真2
■左写真:被災地の写真1(写真天野彰)    ■右写真:被災地の写真2(写真天野彰)

 住まいとは、まさに“生活の場”です。その生活とは働くことです。人間にとって働く場所の近くで寝泊まりができ、家族が身を寄せて暮らせることが一番の幸せです。その生活の場づくりができていないのです。また津波の危険をさけて高台移転などや、街全体の計画をしてからとかで建築制限を掛けているのです。その為住めそうな家やビルもリフォームさえできずにいるのです。

 今何より急ぐべきは、こうした生活の拠点となるべく働く場所をいかに整備するかです。生活の場である農地や漁港、そして加工場や店舗などができると、それぞれの住居群ができてくるのです。前回お話ししたように、今の農地に安全に住むために15メートル以上もの客家の城塞を思わせる防潮堤の集落をスポット的につくることや、緊急避難施設ともなる橋梁のような集合住宅や人口土地などを各地域に造ることです。

橋梁のようなS字型の集合住宅の案
■イラスト:橋梁のようなS字型の集合住宅の案(天野彰)

 こうして今すぐにでも働く場所に仮設ではない恒久的な住まいを“創る”ことこそがプロデューサーたる今の政府の務めなのです。すでに電力会社などは原発始動の為にさっそく巨額を掛けて防潮堤を造り始めていることです。

 いまだ被災されて苦労されている多くの人や、ご遺族方の心中はいかなるものか、話題にも上がらないのです。この微妙な時期に多くの国会議員が、なぜか長年放置してきた社会保障のための消費税議論を今、しているのです。

 考えてみれば当初は確かこの大災害復興のための復興税のはずだったのです。どう観てもそのことにかこつけた増税としか思えないのです。これにより消費は低迷し、景気はさらに勢いを失い、復興の意欲をも喪失しかねないのです。

 既に上がり始めた建材などで工事費は上がり、しかも消費税の為に物価が上がり建築コストも大幅に上がり、それが復興の足かせとなることが目に見えているのです。

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建築家 天野 彰建築家 天野 彰

建築家 
天野 彰

岡崎市生まれ。日本大学理工学部卒。
「日本住改善委員会」を組織し「住まいと建築の健康と安全を考える会 (住・建・康の会)」など主宰。住宅や医院・老人施設などの設計監理を全国で精力的に行っている。TV・新聞・雑誌などで広く発言を行い、元通産省「産業構造審議会」や厚生労働省「大規模災害救助研究会」などの専門委員も歴任。著書には、新刊『建築家が考える「良い家相」の住まい』(講談社)、『六十歳から家を建てる』(新潮選書)『新しい二世帯「同居」住宅のつくり方』(講談社+α新書)新装版『リフォームは、まず300万円以下で』(講談社)『転ばぬ先の家づくり』(祥伝社)など多数。

 一級建築士事務所アトリエ4A代表