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消費税アップで家のコストは体脂肪率30%!
1 消費税アップで家のコストは体脂肪率30%!
仮に消費税も10%に引き上げようとすると、3,000万円の家で300万円、10億円の病院や老人施設でなんと!1億円もの消費税となり、その結果、家賃はもとより医療費や福祉介護費用にもその割合で負担がそのまま増えることが分かります。
つまり弱者には消費税が累積加算されて何も買わないのに生活負担が増えてしまうのです。ところがさらに問題なのは、5%消費税導入の際、建築費が実質2~30%も値上がりした経緯があるのです。確かに導入前の駆け込み着工の値上がりもありましたが、建設コストはそのまま上がったままです。
そこで建設コストの内訳を詳しく調べて見ますと、この見積もり上の5%の消費税が、建て主の手に渡るまでにあらゆる材料や部品の単価、工賃、運賃に至るまで、何通りにも累積加算されていたことが分かります。例えば今サッシ1本10万円の価額を例にしますと。建て主の手に渡る時は確かに10万円の単価のようですが、その現場に持ち込まれて取り付けられる前までに、アルミの原料、さらにガラスの原料、それらを溶かし成型するまでの工作機械や型代、燃料費、運搬費、工賃さらに窓枠製作費とあらゆる段階で5%の消費税が見積もり加算されてしまうのです。このことに対して、「いや、5%の消費税はすべての事業者に差し引きして還元されます!」と。
ところが実際には、アルミやガラスの原料はすでに消費税5%の見積もりで工場に納品されて、以後その割合の工具、燃料、工賃、運搬費、経費と消費税がそれぞれに加算された見積もりで利益や経費を足して価額が決まって行くのです。
結果、数年前7万円ほどのガラス込みのサッシが今「10万円+消費税」となっているのです。これはなんと実質30%も割高となっているのです。一体このサッシの中にどれほどの消費税分があるのかを追跡調査してみるとすべてがその都度の見積もり上の消費税であることがよく分かります。しかしそれで価額は次々決まって行くのです。
2 見積もり上の消費税は家中に残り【体脂肪】となる?!
こればかりではありません!これらのサッシが梱包され現場に搬入され(梱包費・運賃は別に消費税)、取り付け費、養生費、清掃費さらに経費、そして最後に家全体のコストに対する5%の消費税が、まるで“体脂肪”のように家のあちこちに加算されていることが分かるのです。
確かに中間のあらゆる材料・部品メーカーや施工業態には、それぞれ5%加算して請求されて支払っても、買いと売りでその消費税分は差し引き減額されるかも知れません。が、ただ買って住むだけの建て主にとっては、これらの見積もり額の中のあらゆる資材、部材、部品、工賃の消費税分がまるでメタボのように家中に隈なく蓄積されたままとなっていて “1円も”還元されることはないのです。
こうして建て主は既にあらゆる段階で5%の、さらに5%以上もの消費税をあちこちで次々と払わされていることとなるのです。さらに家本体に消費税を加算する必要などまったくないのです。住む為の“家に消費税を掛けてはいけない”のです。
今5%の消費税でイラストのように“メタボ”となった家のコストは割高となり、スリムにする為ダイエットして、まず耐震強化や省エネ対策費を削ることとなるのです。これで将来巨大地震に見舞われたり、光熱費が暴騰したら家も生活も倒壊です。まさにこの家の中の消費税は老後の家をまるで白アリのように喰ってしまうのです。
さて、果たしてさらなる10%の消費税アップで、これが住宅に課せられたら、皆さまはまた駆け込み着工をして、その2,30%も割高となることを容認するのでしょうか?
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