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住生活情報マガジン 余はく お月見、菊酒、旬菜料理・・・ ~この秋、和を愛でる

お月見、菊酒、旬菜料理・・・ ~この秋、和を愛でる

 名月を愛でて月の神様のパワーをいただく

 一年でもっとも月が美しいといわれるのが、十五夜。
 もともとお月見は、庶民 の間では農作物の実りを感謝するための祭りだったとされ、この日はお団子や、ススキ、おみなえし、萩、桔梗といった秋の七草、そして畑作物であるサトイモをお供えするという習わしがあります。こうした供え物は地域によって様々ですが、なかでも代表的なものといえば、お団子。月のかたちに見立てた丸いお団子をピラミッドのような山形に供えるのは、月の神様の力をいただくためだとされています。つまり、現代的にいえば、月見団子は聖なる力を宿すパワーフード。いただく前に部屋の電気を消し、月の光を愛でる時間を持てば、いつもと違う世界があらわれることでしょう。
 ちなみに、昔の日本では子どもは月からの使者と考えられている地域もあり、この日に限っては月見の供え物を盗むことが許されていたのだそうです。その名残は現在にもあり、地域によっては「お月見くださ〜い」などと声をかけて各家をまわり、お菓子をもらう風習があるのだとか。どこかハロウィンのようですね。
 こんなふうに、今人気のあるものの原点を日本の風習の中に見つけるのは、実に面白いこと。伝統行事というとつい「こうしなければならない」などと堅苦しく考えがちですが、そうではなく、もともとの風習の意味を知り、その楽しみを暮らしに取り入れることで、日々を豊かにすることにつなげたいものです。

 旬の清酒に菊香を移して 五感で秋を堪能する

 菊の節句ともいわれる「重陽」には菊の香りを移した菊酒を飲むのが習わしです。そこには邪気を祓い、長命を願うという意味があります。菊というと仏前に供えるものというイメージがあるかもしれませんが、もともとは薬材。
 つまり、漢方薬の材料でした。また昔から菊には聖なる力もあるとされ、干した花びらを枕に入れることで、安眠につながるともいわれてきました。

 そんな菊をより身近に楽しむには、「ひやおろし」や「秋上がり」といった、秋に旬を迎える日本酒に浮かべていただくのがおすすめ。
このとき利用したいのは、黄色や紫色の食用菊。洗った後、水気をきゅっと絞り、ガラスの器に菊を少しだけ浮かべると、菊の香りが清酒に移り、香り、風味、見た目と、まさに五感で秋を楽しめます。

 例えば、さつまいもの茶巾絞り  旬の食材で秋を味わう

 味覚の秋といわれるように、この時期 は野菜や果物、魚類など多くの食物が収穫期を迎えます。旬の食材は安価で栄養価が高く、おいしいのが魅力。手の込んだお料理でなくても、サッとつくれて見た目が秋らしい一品を食卓に並べれば、家族全員で秋らしさを味わえます。その一つが、さつまいもの茶巾絞り。ふかして形を整えるだけなので、至って簡単。紫芋を使ったり抹茶を混ぜたりすると、彩りに変化が出ておすすめです。

五感で感じる、味わう、色めく秋の愉しみ方
 こんな小さなことから、秋めく暮らしを実践してみてはいかがでしょう。

取材協力・イラスト/広田 千悦子氏
取材・文/冨部 志保子氏
情報提供:住宅情報マガジン『余はくvol.22 秋号』 P08~P13(2014.9.1発行)

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