「家族の間取り」をつくる。それは「生活の間取り」
近年の都市型の集合住宅の構造と水回り設備の制限による単純で画一的な「間取り」は、利便性を優先してしかも限られた高額の土地で、一戸でも多くの家を積み上げ最大容積を確保せざるを得ないマンションや賃貸住宅ではしかたがないことだと思われます。が、これらの家で果たして住む人や家族それぞれを幸せに住めるのか疑問ですが、この2LDK、3LDKなどのマンションの合理的な間取りが一戸建ての間取りにまで及んでいることも気がかりです。
こうした中、施工性を多少犠牲にしてでも「家族の間取り」を優先したマンションも提案されているのです。子育ての家族は子ども部屋を与えるのではなくその反対に仕切らずに開放し、寝るだけの部屋?コーナーを与え、ワンルームにして、リビングかダイニングに家族皆の書斎(イラスト2)とするのです。

■イラスト2:リビングの家族皆の書斎(天野彰)
子育ての終わった夫婦には玄関に広い土間空間を設け、趣味や仕事のスペースをつくるのです。さらにバスルームを思い切ってベランダ側に持って行って、夜景を見ながら入る露天風呂のような楽しいプランにするなど「生活優先の間取り」も考えられて実現もしているのです。
これこそ古来私たちが住んできた昔の住まいの形です。壁のない開放的な風通しの良い家で、冬は合掌造りのように囲炉裏の暖房もひとつで済む、自然エネルギーと省エネルギーの家なのです。これに電灯や給湯などのためにさらにソーラーパネルを設置することで太陽光利用の、まさに低炭素でエネルギー・ゼロの住まいとなるのです。

■写真3:合掌造りの火の見窓 唯一の暖房の囲炉裏の火を夜中見張る(写真天野彰)