住宅関連記事・ノウハウ
スウェーデン式サウンディング試験結果の判定について(2)
スウェーデン式サウンディング試験結果の判定について(2)
今回からは自沈層がある場合の判定について説明しますが、まずは試験結果を利用した算出式を紹介します。
自沈層とは、おもりの重さのみで沈んでしまう層(0半回転)のことです。第2回で試験方法について述べておりますが、おもりは5kgから始まり100kgまで6段階あって、段階ごとに沈まないかを確認しながらおもりを増やしていきます。 つまり、自沈層には6段階の弱さがあるのです。
例えば、同じ0半回転でも、75kgまでは耐えられた時と、25kgまでしか耐えられなかった時を想像してもらうと、強さに差があることをイメージしやすいかと思います。
では、自沈層の評価はどのようにして行えるのでしょうか。
実は、自沈層の評価方法はこれと定められているものはなく、いくつかの式が推奨されています。
日本建築学会が発行している「小規模建築物基礎設計指針」では、
qa=30Wsw + 0.64Nsw という式を推奨しています。
これは、告示の(1)式を発展させた式で、Wsw(荷重)をかけることによって、おもりの重さを考慮する式となっているのです。
例えば、表-1を例にすると、基礎の底部を地表面から-50cmとした場合、
qa=30((1+1+1+1+0.75+1+1+1)/8) + 0.64((8+8+0+8+0+0+16+0)/8) = 32.3(kN/m2) となります。
他に、住宅地盤品質協会が推奨する、
qa=30Wsw + 0.60Nsw
という式は、日本建築学会の式と告示の(3)式をもとにしたものとなっています。
しかし、これらは支持力の目安であり、別途、地形の考慮や沈下の検討が必要なのです。
次回は、算出された数値のみでは判断できない、地形を考慮した判定を紹介します。
■表-1:スウェーデン式サウンディング試験結果表