住宅関連記事・ノウハウ
2025年1月25日(土)
湿気と物の侵入を防ぐ関所(前室)をつくる
いよいよじめじめした梅雨の季節です…と言いつつ、筆者の住む関東地方は今灼熱の夏日かと思えば突然の線状降水帯による土砂降りに見舞われます。こんな季節、鬱陶しいのは、暑さに加え湿気です。その家の中に溜まった物がさらに苛立たせます。いったいこの夏どのようにしたらこの家の中で快適に過ごせるのでしょう?
まずは物と湿気を入れない関所(前室)をつくる
では、家の中の物を少なくするにはどうしたらいいでしょう。それは入口に「関所」をつくり、買い物の帰りや、贈答品の多い季節など、玄関や勝手口に「一時預かり」をつくり、すべての物をシャットダウンする「シューズクロゼット」です。中はオープンな棚だけにし、物が一目瞭然で、時間がある時に整理しやすくするのです。
履物も壁いっぱいにし、雨や雪の日のコートや長靴やブーツに傘、ベビーカーやゴルフ・スキーなどレジャーやアウトドアの物をそのまま置くのです。土間は床暖房にしたり、強力な換気扇で湿気を排出するクリーンルームの入り口などにある前室ブースです。
ここに手洗いや足を洗える流しがあれば、コロナ禍のような生活変容の時代にも対応できるのです。これは狭いところでも玄関に面した階段があれば、その下をシューズクロゼットにし、そこにトイレや手洗いが来るような配置にしLDKの側にドア一枚で仕切れば前室になります。
あの勝手口も同じで洗濯などの家事室兼用のパントリーをつくり、外から侵入する野菜や買い物や湿気のある洗濯物も一時預かりとし「関所」にするのです。ここも大切なことは暖房と換気扇で、仕切りドアです。
物を見せて隠して透明にすると柔らかくなる?
見せる収納と隠す収納
- ・リビングの収納:見せる収納と隠す収納
- ・ガラスケースの飾り棚
- ・水回りの収納:リネン庫、ストック場所
- ・収納は「皮膚感覚」で
- ・「家は裸の自分を包む下着」
リビングには娯楽を含め、思い出の品や来客用の器や道具、各種ソフトなど置き場が必要です。そこは“見せる収納”と“隠す収納”が必要で、ガラスケースのような飾り棚の見せる食器や、戸で目隠すストックなどとなります。同様に水回りや洗面所は道具や、下着タンスやタオル類のリネン庫。予備のペーパーやタオルがあれば「おーい、カミ」も「パンツ!」もなくなります。
こうして壁の中やインテリアに物を“吸い込ませる”と人目にも自身にもスッキリし、裸の自身にも安全です。筆者自身も歳をとって来て、えっなんで?などというふらつきも覚えるのです。「家は裸の自分を包む下着」のようなもので、温かく、蒸れず通気が良く“柔らかいもの”がいいと思うようになるものです。
物一つない嘘くさい家とカオスのごみ屋敷?
現実と理想の狭間
- ・「殻だけ」のような理想の住まい
- ・現実の暮らしでは物があふれる
- ・物を無造作に置いても調和するデザイン
- ・共通性や統一性を持たせる
- ・個性的な家具で煩雑さを軽減
理想の住まいはまるで“殻だけ”のような住宅雑誌のグラビアやカタログのような、スッキリ何もない“嘘くさい”家が理想のようです。しかし現実の暮らしを思うと必要な物や道具をいちいち持ち歩くのでしょうか?
結局のところ住まいのあちこちに必要な物が無造作に置かれ煩雑となります。しかしこれこそが現実の暮らしで、息吹ある温もりを感じられる生の姿なのです。
そこで物が無造作に置かれていても空間に融け込むデザインを考えるのです?例えば本棚のように本が溢れ、無造作に置かれていても煩雑に見えない共通性を持つ棚で、規律のある「統一性」を持たせればあまり気になりません。さらに背景の一部に個性的なアンテーク家具を一つ置くだけで煩雑な物を目立たせなくすることも可能です。
恥ずかしながら筆者の家がそれで、食卓兼作業場兼書斎テーブル?などは一枚の大きなテーブルにし、その上に書類などが山と積まれ、カオスのような空間ですが。当の本人はそこにわが身が自然に溶け込み落ち着くのですが…、やはりここは“ごみ屋敷”か?
しかしやはり物はない方がいい!次回は本気で物をなくす!です。
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