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2025年4月1日(火)
災害は忘れたころに 減災は想像力と発想力から!
創造的減災はあり得る災禍の想像と発想
長年家づくりに関わって来て、特に耐震耐火など防災に心がけて来たのですが、便利で人が集まりやすい都市の平野部の活断層やあの巨大津波などには愕き途方に暮れるのです。どんなに快適で住みやすいわが家も大地震で助かっても、密集しているだけに隣家が倒れ、延焼してしまっては、家はおろか命さえ失うことにもなりかねません。しかもそれだけではありません。都市全体、さらには都市間の往来もままならなくなる国家全体の安全対策なのです。
人口が集中する都市直下型の地震や活断層と豪雨や高潮、津波最近品川、港区から江東区周辺までの港湾、河川の両岸周辺を防災の観点から一気に見て回って、大規模再開発のあまりの多さと、雨後の竹の子ように次々立つ超高層の湾岸タワーマンションの多さに驚いたのです。しかし大きく懸念を抱いたことは一方の幹線道路や橋梁、下水などのインフラはさらに老朽化が進んでその改修などほとんど手がつけられていなく、その開発のスピードにはとても追いつきそうに思えないことです。
都市部での震源の熊本のように繰り返しの余震による破壊や、液状化も心配です。何よりも大都市では人身被害もさることながらライフラインが停まることです。特に停電や超高層のエレベータの停止は各地で騒がれますが、具体的な対策はいまだなされてもおらず、高齢者も多く住む高層マンションなどで、どう救出をするか、さらに長周期地震の揺れも懸念されます。都市全体を見て再開発と超高層ビルの是非を問う事態ともなっているのです。
危惧される国家経済の崩壊
大地震によるライフラインの被害が長く続くと多くの産業が停止し、経済が落ち込みます。あの東日本の大地震にしてもかつての阪神・淡路地震にしてもあの恐怖の揺れや津波の体験と、長く続く避難生活の不安や不自由さ、そしてその建て替えや修復のための多額の出費を迫られ、ついにはその街や家を捨てた人や企業も多いのです。
しかし東京をはじめ、大阪、名古屋などの大都市圏の人々は幸いにも今まで直撃を避けられ、各地の惨状をテレビで目の当たりにしながらも相変わらずの “対岸の火事”か、あのような大地震が来たら、“あきらめるしかない”などと開き直っている人さえ多いのです。
長引いたコロナ禍のせいか、防災意識が薄らぎ、行政の長期視野の防災対策の低下も感じられます。これは同じ都市に住む一人の住民の立場にちょっとなって、わが身や家族のことを思うと分かることのはずです。しかし現実は直近の業務に追われ、かつての政治家や官僚のような国民サイドの長期的視野で考える政治家も見受けられないことが寂しいことです。
防災、いや減災意識でわが身と都市、国家を救う
防災はそこに住む人の心がけ次第!ちょっとした工夫とわずかな費用で今の住まいを安全で耐震補強でき、家族や市民の命を守ることもできるのです。あの悲劇的なコンクリートブロック塀の倒壊や各地の土砂崩れがそれです。これはどの町にも、どの工作物にも言えることです。
日頃の安全の心さえあればちょっとの見回りで発見でき、しかも少額の費用で強化修復も可能なのです。都市再開発も本来は都市集中より、地方分散が理想なのですが、現実の不動産価値とその拡大メリットが優先する事業では止められません。もっと厳しい審査行政指導が必要のはずですが、現実の業務の繁忙や従来の法規制などではとても間に合いません。
やはり都市に住む以上、住む人自体、住民どうし、自治体サイドで独自の規制を掲げ、自らを守る姿勢が重要です。そのためには防災をわが身の防御と捉え、わが身を守る姿勢が大切です。
少数ですが実際に都市を離れ近郊、地方へと移住する人も増えています。防災は価値観の多様性から考え、“生き方”さえも考えることとも言えるのです。一度わが住む家、街、そして地域を見て回るといいかも知れません。それこそが防災意識と言えるのです。

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