住宅関連記事・ノウハウ
都市での家づくり 都市に住む防災姿勢?
【1】都市に住む防災思想とは?
本来都市に住む基本とは、住まいづくりの根底となる思想とはいったいなんでしょう?
利便性が高く多くの人が住めば当然被害のリスクも高まり各家は狭く、しかもその多様性から家族の生活は勝手気ままに暮らせバラバラとなり被害の範囲も多岐に渡ります。これが都市での生活、都市での住まいのカタチとなるのです。
しかし残念なことはいまだ地方での生活の姿勢のままで家のつくりもその感覚で設計され、しかも家の周囲環境も変わらないままで、ひとたび災害や事故が起これば一瞬にしてパニック状態になるのです。現在最も優先すべきは、インフラも含めた総合的な防災強化です。各戸の耐震のみならずあらゆる災害を想定した防災対策が必要となるのですが、何よりもその前に人々の「防災の意識」と「防災の思想」を持つことが大切ではないでしょうか。
人々が密集すれば各戸は当然狭くなり、さらに高層の住まいとなります。その都市住宅で家族がどう住むか?家族の安全を考えることが最優先となるのです。
【2】 都市の防災は“減災”思想
そこで、まず「防災の思想」とはいったいなんでしょう?
あの311の津波の衝撃でつい極端な防災意識となるのですが、阪神淡路での突然起こる都市直下地震の破壊、さらには最近多発する線状降水帯による集中豪雨での洪水や土砂災害。さらに豪雪などの異常気象に対する対策も必要です
そもそもの原因はすべて工業化から都市の密集化が引き起こす災害で、さらに地球規模の温暖化となり、人災となれば、利便性を求め住む人それぞれがその原因を極力つくらず、その結果を少しでも減らす思想、“減災”思想を持つことと言えるのではないでしょうか?
そのためにはまず自分自身と自宅を守ることから始める必要があります。結果としてその附近、街を救うこととなるのです。
【3】何よりも一人一人の守る意識
当時からも行政もあるにはあったようですが、江戸や京都の街では大火災が怖れ、いろいろな工夫やルールをつくって来たのです。何よりも都市に住む人々の防災意識が高く、モラルのようにもなっていたのです。
それこそが各戸を区画するあの町家のつくりであり、沿道のあの卯建(うだつ)の防御「卯建が上がる」と言えば、まさに“めでたい出世”繁栄をたとえた表現です。
実際に裏通りから街道の表通りに店を構えることで、卯建の「卯」とは、写真のようなうさぎの耳のように隣家からの“もらい火”を防ぐ防火壁であり防御壁で、密集する都市での防災防犯の知恵と言えるのです。与えられた家や街に単に住むのではなく、行政に縛られることでもなく誰もが経験した苦い体験から生まれた「知恵」と「意識」で街を守る暮らす人々の守る意識の「減災思想」なのです。
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