住宅関連記事・ノウハウ
都市での家づくり 安全で安い家
今、世界のあちこちで紛争や犯罪による都市の破壊が次々と起こっています。密集地に起きる直下型地震や巨大なハリケーン、連日のように放映される無惨な映像や画像をみるたびに、果たして都市に家を持つべきか、遠く離れた郊外や山里に“潜んで”住む方が良いかに惑います。
1 仕方無いマンションブーム
これから都市に住まいを建てようか、リフォームにしようかあるいはもっと郊外に?と迷っている人は、やはり都市の便利なところに住むべきだと思うのです。
どなたも持家を望むのでしょうが、密集する都市の住まいは地価が余りにも高く一戸建てはとても無理と諦め、仕方なく分譲マンション持ち家の選択となってしまうのです。筆者はこれを“仕方無いマンション”と名付け、ご多分に漏れず子育ての為に中古マンションを購入して住んだのです。初めての持ち家です!
こうして多くの人が分譲の集合住宅を買い求め、マンションブームが起こり、「区分所有」という権利が生まれたのです。今はさらに高層によって総戸数が増え、一戸当たりの土地コストの持ち分比率が下がって割安なってと、雨後のタケノコのようにガラス張りのタワーマンションが建ち、戸建てに住む老いた夫婦までもが移り住むような現象となり、想定した以上に高額となっているようです。
2 都市のマンションの持ち家は安全で安いか
ちょっと足を止めて考えてみる必要もありそうです。
まず、区分所有の制約について考える必要があります。言わば巨大な戸建ての家ですから巨大な家族そのものの決まりやルールがあり、そこから逃れることはできません。さらに家は建てた瞬間から古くなり痛み始めます。
またどんな障害や思わぬ故障が起こるかも知れません。いずれは大規模な修繕も必要となります。
その時高層だけに施工費も上がり管理費に加えて積立金額も上げざるを得ません。高層に住む人も、低層に住む人も同じです。今は中古マンションも高騰していますが、いずれどうなるかは分かりません。もともと地価は区分所有の為、建屋自体の価値は株価同様暴落もありそうです。
もし集合住宅に「仕方なく」住むのであれば、一時的に賃貸の方がよさそうです。やや古めのアパートでもうまく改装して住むことも可能です。今は簡単に撤去できる組み立て式の壁面家具が多く、新たな間仕切りも可能です。
3 都市の戸建てが安く安全な家をつくれる?!
人気のマンションが投機目的で売れているのと同様、高齢化で増えた空き家を企業が安く買い漁り、それらを細かく分割して高額な建売りとして分譲しています。
そこで近所の街の不動産屋さんと小まめに情報交換して思わぬ掘り出しものを安く購入もできます。特に小さくて大手が扱いにくい土地や、変形の地型の土地などです。これらには規格型の住宅や、込み入った変形の土地は扱いにくく売れにくいためです。それを上手く活用して建てるのです。自慢になりますが、そのために設計事務所の手腕を借りるのです。そして町の工務店さんと一緒に安く造るのです。
自分たちの思い通りのプランで、堅牢で防災にも配慮した家も可能です。
この持ち家はマンションと違い、土地が我がものです。望ましくはありませんが、最悪の事態があっても、土地だけは残ります。もちろん都市の戸建てを持つ以上はルールと防災思想さらに自身での維持管理も必要です。
このことは今の家のリフォームすることでも同じです。
次回は、自身の安全のために、都市での防災を考えた家を考えて行きたいと思います。
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