住宅関連記事・ノウハウ
「長寿の家」はロコモ・サルコ・フレイル
9月になっても残暑どころか相変わらずの異常気象の真夏日のままで、おまけに正体不明の異常な台風に日本中が豪雨と突風に見舞われました。
いまだに家の中に居てもクーラーが無ければ、たちまち熱中症
の危険です。筆者自身もさすがに、一体どこに夏を旨とすべし
があろうか?と夏バテ気味です。しかも・・・
【1】住まいには危険がいっぱい
実際住まいに居ても熱中症で無くなる人も多く又それが高齢者と、昨今の家のカタチさえ考えなければならに異常気象の時代となってきているようです。
反面、この先ますます寿命が長くなりますと、人と家との関わりがさらに深くなって行きそうです。特に高齢家庭では身体能力や感覚の脆弱から、思わぬ段差や出っ張りに躓いたりぶっつけて転倒したり打撲の事故も多く、夏の熱中症や冬のヒートショックと思わぬ障害、まさしくあらたなバリアが生まれるのです。
そこで改めて、まずわが身と将来を考え、人生100年のアナログの時計の文字盤
を描き、そこに自分の姿と人生を描くのです。そこではじめて家の様子と、自分がどう過ごすか、さらに子どもたち親たちの人生も見えてくるのです。
【2】高齢化で起こる生活変化とは
夫は65歳を迎え、勤めを退職、いよいよ夫婦ふたりだけの時間がはじまります。ここから人生を10年毎で見ていくと、この年齢による身体的な変化を示す医学・健康の概念があるというのです。
最近日常的につかわれるようになってきてご存じの方も多いと思われますが、それがロコモ、サルコ、フレイルです。なにかフィギア・スケートの華麗な技のよう聞こえますが・・・どっこい残念ながら身体が老いとともに弱っていく段階のことなのです。
しかもこれは住まいカタチとおおきく係わりがあるのです。しかもこの先の長寿の家
は、この身体のロコモ、サルコ、フレイル状態、症状をできるだけ先に追いやりながら、それを受け入れて行かなければならない対策も必要となるのです。
【3】バリアフリーならぬリハビリ
これからの家は、この3段階の心身が虚弱化していくステップの意味から理解していく必要もありそうです。
ロコモはロコモティブシンドロームで、運動器症候群。体を支えている骨、関節、神経に支障が起きて、日常生活に影響が出てくることです。最初は階段をのぼるのに膝が痛くて、3段ずつ休憩する
とか、衣服の着脱ができなくて、脱いでいる途中で動きが止まったままになる
とか、立ったままパンツや靴下をはこうとすると、ひっくり返ってしまう
とか、笑い話のようなことで始まのですが・・・。
これは、軽い筋トレとバランス運動を毎日することだとされていて、もし長寿の家が、筋トレとバランス運動を含む家であれば、健康的には好都合です。これこそバリアフリーならぬリハビリ
の階段、段差のある家が筋トレの家だ。2階リビングも筋トレの家といえそうです。
この家で朝晩、ベッドの脇で片足立ちのトレーニング。個人差はありますが、65歳から75歳までの暮らしでは、これはらくらくできるはずですが・・・。
【4】サルコ
に住まいで出番
では、75歳と76歳の間にはなにがあるのでしょう。これも個人差がありますが、一年違いで、こんなに違うのかと愕然とする体験をするのが老い
の始まりです。
歩くのがちょっと難しく、雲の上を歩いているようなふらつき感が、ある日突然来るのです。誰もが必ずこういう時がくるのです。
これがサルコ(サルコペニア)の始まりで、筋肉減少がはじまっているのです。夜、トイレに起きたときに転倒したりして、身体機能が低下して自信がなくなるのです。この段階ではまだいろいろ自分で考え、工夫し、独自の理論
と実践
をあみだしたりできるのです。しかしこうしている間にいよいよ要介護が必要となるかも知れないフレイルを迎えるのです。
次回はいよいよこのフレイルからの脱出です。
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