住宅関連記事・ノウハウ
2026年4月24日(金)
安易に住宅ローン借り換えをしない方が良い場合
はじめに
こんにちは。ネクスト・アイズ早坂です。
昨年暮れに日銀から発表された政策金利の上昇による影響として、住宅ローンを変動金利で借りている方々の返済金利が上昇することから、政策金利が上昇するという発表とともに各金融機関において、現在ご利用中の住宅ローン借り換えに関するご相談が急激に増えるという状況をもたらしました。
さて、住宅ローンの借り換えとは、現在の住宅ローンを一括返済して新たな住宅ローンを組み直すことを指します。一般的には、より低い金利のローンに借り換えることで返済総額を減らす目的で検討することが一般的です。ただし借り換えで住宅ローン返済総額を減らすことが主たる目的の場合、あえて借り換えをしないほうが良い場合もあるのです。
今回は、現在の家計状況や住宅ローンの状況によっては【住宅ローン借り換えをしない】という選択をしたほうが良い場面を解説します。
借り換えしても利息削減額が少ない
借入残高が少ない、または完済が近い
主にシニアの方々がこの条件に該当するかと想定できますが、長期間にわたり住宅ローンを返済していると、住宅ローンの残高が少なくなります。住宅ローン残高が少ない場合、金利が下がっても利息削減額が少なく、借り換えにあたって必要となる諸費用・手数料の方が利息削減額より高くなる場合があります。
現在返済中の住宅ローン金利が低い
現在の住宅ローン借り入れ金利が低い場合、借り換えした住宅ローン金利が大幅に下がらないことが多々あります。その場合、借り換えした利息削減額より必要となる諸費用・手数料のほうが多くなる可能性があります。
借り換えを検討している住宅ローンとの金利差が小さすぎる
借り換えを検討している住宅ローンについて、借り換え前後の金利差が年利 0.8%未満など、借り換えを検討している住宅ローンとの金利差が小さい場合、借り換えにあたっての諸経費・手数料(事務手数料、印紙代など)で利息削減分が相殺されてしまいます。結果として、利息削減額より諸経費・手数料等の負担が大きくなる場合があります。
借り換えの結果、返済期間が13年未満、または10年未満になる
借り換えを検討するとき大半の方々が見落としがちな点として、住宅ローン控除期間の問題があります。実は、住宅ローン控除は借り換えによって控除期間がリセットされるわけではありません。つまり、住宅ローン控除期間は延長されず、住宅ローン控除は残りの期間しか使えません。
あわせて、借り換えによって住宅ローン控除にあたっての必須条件である「13年以上(10年以上)の返済期間」を満たさなくなると、いままで対象となっていた住宅ローン控除を受けられなくなります。
借り換えによって、住宅ローン控除期間が「13年以上(10年以上)の返済期間」になったとしても、金利低下で住宅ローン残高が減少して控除額が減った場合、控除は年末残高の0.7%(2024年以降)などで計算されるため、数万円程度とも想定される借り換えの経済的なメリットが相殺されることがあります。
現在の収入や信用情報による影響
収入が減少した・返済比率が厳しい
借り換えを検討するタイミングとして、家族構成の変化等により世帯年収が当初の住宅ローン借り入れ時より減っている場合(例:共働き→片働き)が少なからずあります。
世帯年収が減っている場合、別な金融期間に住宅ローン借り換えの申し込みをしても、住宅ローンの審査は返済比率(年収に対する返済額の割合)を重視することから、世帯年収減に伴う返済比率の問題で審査に通らないことがあります。
信用情報に問題がある
現在返済中の住宅ローンはもちろん、クレジットカードやスマホの分割払いなど、過去の延滞等で信用情報に何らかのネガティブ履歴があると、審査に通りません。
現在返済中の住宅ローンに付保されている生命保険との兼ね合い
健康状態が良好で、団体信用生命保険が手厚い
住宅ローンを契約するとき、ほとんどの方々が加入される団体信用生命保険。住宅ローンの契約のときに特約(オプション)を充実させて契約している方々ほど、住宅ローンの借り換えは慎重な判断が必要です。
現在返済中の住宅ローンに付保されている団体信用生命保険(がん保障など)が充実している場合、住宅ローンの借り換えによって保障内容が薄くなること(たとえば一般団信に変更される)が多々あります。
また、現在の団体信用生命保険の保障内容と同様なグレードの生命保険を別に契約すると、団体扱いの保険料優遇が適用されず、かつ年齢や既往症等との兼ね合いで生命保険料が大幅に値上がりする可能性、もしくは新規で生命保険の申し込みができない可能性があります。
その場合、住宅ローンに付保された団体信用生命保険を活かすため、将来に向けた戦略的判断として借り換えをしない、という選択もありえます。
住宅ローンの借り換えは、慎重な検討を重ねることが重要
政策金利上昇をうけ、住宅ローン借り換えがトレンドになりそうな現在。借り換えの目安として、現在返済している住宅ローンとの金利差が1.0%以上にならないと、住宅ローンを借り換えしても利息削減額より諸経費・手数料等のほうが高いという可能性が高くなります。
見落としがちなのが、住宅ローン控除や現在の住宅ローンに付保された団体信用生命保険との比較検討。現在の団体信用生命保険が手厚い場合、その格安な保険料を活かすため、あえて借り換えをしない、という戦略的な判断もありえます。
長い人生において、経済的に常に順風満帆でいかないことは世の常。住宅ローン借り換え検討にあたり直視したくない現実として、世帯収入の減少やご自身の信用情報の問題があります。
世帯収入が減少している場合、あえて借り換えという選択をせず現在の住宅ローンを返済している金融機関に返済条件変更の相談を重ねたほうが、結果として住宅ローン返済の負担を減らすことができるかも知れませんし、すべての金融機関が快く返済条件変更を受けてくれるわけではありません。残債分の全額返済を求められる可能性もないわけではありません。
万が一信用情報に大きな問題がある場合、全額返済を恐れて高金利なローンを借りて無理して返済を続けるより、別な手段により生活再建を目指したほうが、短期的には苦しい時期もありますが、長い目で見ると、より安定した生活を取り戻せます。
もちろん、このような住宅ローン借り換えにおける検討については、お電話だけではなくメールやオンライン会議(Zoom)でのご相談も承っております。
お気軽にお申し付けくださいませ。
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