住宅関連記事・ノウハウ
2025年1月11日(土)
シロアリ駆除の保険と税金について
シロアリ駆除は瑕疵担保責任保険・所得税控除対象?
シロアリ駆除と瑕疵担保責任保険の適用

このところ中古住宅に関するお問い合わせが多く、いろいろな相談に乗る機会が多いのですが、中古住宅購入に限らず、まっさらの新築住宅を建てる時以外はできればシロアリ被害の有無について検査をすることは、もはや常識になりつつあります。そこで、シロアリ被害で瑕疵担保責任保険が使えるのかどうか。また、シロアリ駆除費用が所得税を取り戻す還付申告の対象になるのかについて調べてみました。まず、シロアリ被害で瑕疵担保責任保険が使えるかどうか。現在瑕疵保険を提供する6社の保険法人で調べてみたところ、各社とも提供する保険すべてで免責事項となっていました。その理由は、もともと瑕疵保険が工事を対象としたものであり、シロアリ被害は工事に起因するものではなく、自然に起きるものです。(ただし、雨漏りが前もって起きたことが原因でシロアリ被害を誘発した場合は瑕疵保険適用の対象になります)同様に、リフォーム瑕疵保険でもシロアリの被害による構造上の瑕疵は、保険の対象外になります。
シロアリの被害にに対する瑕疵保険の免責については、重要事項説明として保険加入の際に保険会社から説明を受けることになっています。実際のところ保険契約にあたり重要事項説明を受けているとしても、実際にシロアリ被害が発覚して保険金を請求しようとしたとき、重要事項で説明した通り、シロアリ被害は免責なので保険金をお支払いすることができませんと保険会社から言われて、言われるがまま納得できる方々は、いったいどの程度いらっしゃるでしょうか?瑕疵保険制度そのものが、自動車保険などの損害保険と比較して日が浅いことから、このような前例は多くないと想定されます。
シロアリ駆除費用が所得税の還付申告の対象になる?
シロアリ駆除費用の税金控除について

シロアリ駆除費用は雑損控除扱いで還付申告の対象になります。雑損控除とは、震災、風水害、落雷などの自然災害や火災、火薬類の爆発、盗難などの人為的災害、害虫などの生物による被害を受けた場合に、一定の金額を越えた分を所得から差し引ける制度です。雑損所得として認められるのは、下記のいずれか多い方の金額です。
- 差引損失額-総所得金額等×10%
- 差引損失額のうち災害関連支出の金額-5万円
- ※差引損失額とは、損害を受けた時の直前における資産時価をもとにして計算した損害額と災害により滅失した住宅、家財などを取壊し、または除去するために支出した金額の合計から災害などに関して受け取った保険金や損害賠償金の金額を引いた金額です。差引損失額=損害金額+災害関連支出の金額-保険金などにより補填される金額。
災害関連支出額とは、災害の翌日から1年以内に支払われた原状回復費用などを指します。
シロアリなどの害虫被害に逢って、駆除費用を払っているのに雑損控除の申告をしていない場合は、いちど税務署やお近くの税理士に相談されることをおすすめします。確定申告をされる方であれば、申告は3月15日まで。年末調整をされている方で、所得税を取り戻すための還付申告であれば、1年中いつでも可能です。また、確定申告書を提出していない場合、還付申告は5年以内であれば、過去に遡って申告できるのです。※過去に確定申告書を提出してしまっている場合は更正の請求となり、1年前のものしか還付請求ができません。たとえば、5年以内にシロアリ駆除をして申告をせずにそのままにしていた場合など、還付申告に必要な書類がきちんと残っていれば申告が可能です。所得税の申告を行えば、所得が修正されることで住民税も経験できる場合もあります。以前、シロアリ駆除の工事をしている。または、中古住宅を買ったら予測もしていなかったシロアリ被害で、想定外の出費をしてしまった読者のみなさま。もちろん、昨年、省エネリフォーム工事やバリアフリー工事をされた方も、一度、税務署やお近くの税理士にご相談することをおすすめめします。

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