住宅関連記事・ノウハウ
2025年11月29日(土)
治水・建築構造にわが国唯一の構造的手法
巨大建築も従自然、千年の,柔」の思想!
日本古来の柔術の思想では、相手の力を受け流し、時にはその力を利用して活かすという考え方があります。この「柔」の精神は治水や建築構造にも応用され、地震や強風に強い木組みの技術として発展しました。
特に注目すべきは楔(くさび)の妙
です。鋭角の楔を木組みの隙間に差し込み、叩いて締め付けることで部材を固定します。驚くべきは、木組みに荷重がかかると楔が徐々に緩み、部材に損傷を与えず揺れを吸収することができる点です。この手法は神社の鳥居などにも応用されています。
さらに清水寺の舞台で知られる懸崖構造
や五重塔・三重塔の芯柱構造もこの柔
の思想を基に設計されました。建物全体を支える柱や芯柱が揺れを吸収し、高層建築や現代の制震構造にも影響を与えています。
私自身も、この柔の精神を現代建築に活かし、建物全体が揺れを吸収する吸震構造
を提案しています。

まずはわが心を支える自助自立の思想
住まいがどれほど快適でも、心身の不安は隠せません。老後の暮らしを考えると、自然素材や伝統工芸がもたらす心地よい空気や生理心理的作用が重要です。家を木の住まいにすることで、方丈庵のような静かな暮らしを実現できます。
また、老後でも「職」としての生きがいを保つことが可能です。余ったスペースを貸駐車場や下宿屋として活用したり、近所の子供向けに保育所や民宿を開いたり、趣味や能力を生かして塾やカフェ、アトリエ兼ブティックを運営することもできます。わが家を開放し、毎日を楽しむ生活こそ老後の豊かさを生み出します。


わが身を支える自助自立の活きていく家
建物の安全と老後の生活を両立させる考え方として、私が提唱するのが2S+3F
です。2Sは自己防衛(Self-defense)と自己支援(Self-support)の「自助」と「自立」。3FはBarrier-free(段差のない環境)、Chemical-free(化学物質を減らす)、Maintenance-free(将来の大規模補修不要)のフリー思想です。
特にトイレや浴室の設計は、自立を支える重要な要素です。祖母の生活例のように、手すりやベンチを活用し、自分で入浴や排泄ができる住まいが尊厳ある生活を支えます。住まいは最期まで自立できるように、人を支える設計が必要です。


ホームナーシングユニットの自立介護施設
最期まで自宅で暮らしたいという願望は誰もが持っています。しかし、介護施設や制度の制約により、多くの高齢者が不安を抱えます。家族や労働力の不足、施設の順番待ちなど、現実は厳しいものです。
こうした時代だからこそ、自宅で安心して暮らすための準備や住まい方が重要です。家を建てる、リフォームする際には、老後に必要な生活動線や安全性、機能をあらかじめ考慮しておくことが求められます。
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