住宅関連記事・ノウハウ
吹き抜けのメリット・デメリット
1 吹き抜けのある家のメリット
みなさまは、吹き抜けのあるリビングを想像したとき、どんなイメージをお持ちですか?たとえば
- ・天井が高くなるので、リビングに開放感がある
- ・部屋の隅まで光が行き届く
- ・1階と2階につながりができる
- というイメージをお持ちになるかと思います。
では、リビングの吹き抜けはちょっと、というみなさまの印象を考えてみましょう。
- ・寒い
- ・掃除に手間がかかる
- ・1階の音が2階に筒抜けになる
- ・吹き抜けがある分、部屋を作れなかったり収納スペースが小さくなってしまう
吹き抜けがあるリビングでもっとも大きなメリットは、リビングがお洒落に見える、ということです。
リビングに開放感があって、光が行き届き、1階と2階につながりができる、という感覚をもつことで、住まいへの満足度が高まります。住まいの満足度が高ければ高いほど、長い期間にわたって住まいへの愛着が続きます。住まいの愛着が長ければ長いほど、深ければ深いほど、長い期間にわたってお手入れしたくなるものですし、適切なお手入れ・メンテナンスを欠かさない住まいであれば長年にわたってもきれいな状態を維持できることから、古い住まいであっても快適に過ごすことができます。
吹抜けのもつ開放感はもちろん大きなメリットですが、吹き抜けをもつ住まいに愛着をもつことで、長年にわたり住まいのお手入れを続けるモチベーションは重要なようです。
2 吹き抜けのデメリット
- 寒い
- 吹き抜けのある住まいを建てた方々が異口同音にお話されている、吹き抜けのあるリビングをもつ住まいの最大のデメリットとして挙げている項目は、寒くて掃除に手間がかかることのようです。最大のデメリットである寒いについては、住まいの性能が高くないと寒く感じる方々が多いようです。
性能が良い家とは、すなわち魔法瓶のような断熱性能・気密性能が高い家のことです。魔法瓶にお湯を入れて蓋をしておけば、お湯のあたたかさは何時間も持続します。性能が良い家は、外壁・床・屋根(天井)・窓が魔法瓶と同じような役目をはたしますので、暖かい空気を逃がしません。よって、吹抜けをつくっていてもリビングが暖まるまで時間はかかるものの、いちど暖まると暖かい空気が外に逃げる事が少ないので、寒さを感じにくくなります。一方、性能が悪い住まいでは、せっかく部屋を暖めても暖かい空気が外に逃げてしまいます。
現在では主流の暖房方法であるエアコン暖房では、暖かい空気は上の方にいくことから、1階の足元が暖まるまで時間がかかります。
シーリングファンなどを使って暖かい空気を下に落とす方法はもちろんですが、床暖房を設置しておくと足元から暖まり、暖かい空気が上の方に登っていきます。そのため、冷え性の方には冷える足下が暖かくなるだけに、体感的な満足度が高くなります。さらに、お値段はちょっと高くなりますが、床暖房対応の無垢フローリングといった、ひんやりする感じを和らげる床材を使うと、床暖房を入れない時期でもひんやりした感覚を和らげることができることからおすすめです。
- お手入れが手間
- 掃除が大変ということは、確かに一理ある考え方です。吹き抜けの汚れはホコリやクモの巣程度なので、しっかりした脚立と柄の長いハンディモップ程度でもきれいになります。
吹き抜けは手が届きにくい場所で、ゴミが下に落ちてきます。吹き抜けの下にあるものは、できるだけモノをよけるか、新聞紙やゴミ袋をかぶせて掃除をしましょう。吹き抜けの壁や天井、照明やシーリングファンは、ハンディモップを最大限に延ばし、1階や2階のフロアから届く範囲のホコリを払います。窓にペーパーモップが届くようであれば、窓ふきもできます。最後に、吹き抜けまわりの窓を開けて換気しながら。床に落ちたゴミを掃除機で吸ってお掃除完了です。かなりのホコリが舞い上がりますので、マスクをつけて掃除しましょう。
- 部屋数が減る
- 収納スペースや部屋が少なくなるデメリットは、間取り計画をしっかり検討することにかかっています。でも、新居にお引っ越しのタイミングを見計らって、不要なモノを見極めて思い切って処分するだけでも、家のなかにしまうモノがだいぶ少なくなります。
あわせて、階段の一角にお父さんの居場所をつくったリ、ダイニング横に勉強のカウンターをつくる、キッチン横にパントリー(収納庫)をつくる、玄関横に土間つづきの収納スペースをつくるなど、目的別にちょっとした場所をつくるだけでも、すっきり片付きます。
愛着のわく吹き抜けのある住まいで、冬暖かくてしっかり収納が考えられた住まいは、長きにわたって愛着をもって住まいのお手入れをしている方々が多いようです。
吹き抜けをもつ住まいのデメリットだけにとらわれるのではなく、愛着のある住まいにするため吹き抜けのもつ住まいのことをしっかり考えながら、家づくりの計画を進めていったほうが、お住まいになってからの満足度がより高くなることは、間違いないようです。
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