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洪水被害から家を守り、安心して過ごせる家を建てる
今後も各地で今回の台風19号被害と同程度の被害が起きえるものと考え、床下・床上浸水などの洪水被害を防ぐ対策について解説します。
住宅における代表的な洪水対策は【盛り土】と【高基礎】の2つ
洪水被害を防ぐ代表的な対策は【盛り土】をして周囲より床を高くするという方法です。【盛り土】とは、住宅を建てようと考えている土地に土砂を運び込み、人工的に海抜を高くする方法です。土地を高くすることで、家を丸ごと洪水被害から守ることができる可能性が高まります。隣の家や前の道が、家を建てる土地より高い位置にある場合には、【盛り土】は特に必要な工事だと考えておきましょう。
もうひとつ、【盛り土】以外では【高基礎】にするという方法もあります。家を建てる際、まずコンクリートなどで「基礎」を作ります。この基礎の高さを一般的なものよりも高くすることで、水が床上に届かないようするのです。この場合、床下への浸水は十分あり得ます。設計段階から、基礎に入り込んだ水を排水しやすいような造りにしておく必要があります。
洪水対策は、住宅程度の建築物でも工事の規模が大きくなることで、それぞれ多額の費用がかかります。工期も一般的な新築工事よりも長くなることが多いようです。しかし、洪水から住まいとご家族を守るためには、必要不可欠な支出と考えるべきではないでしょうか。なお、上記の洪水対策をすることで洪水対策以外のメリットも出てきます。
洪水対策の嬉しいメリット
○【盛り土】や【高基礎】にした場合、家の高さが高くなるので、住まいへの日当たりがよくなります。住宅が密集している地域の場合は、特に大きなメリット。
○敷地に接道している道路は、工事が行われるたびに舗装が重ねられることが多く、修復工事のたびに道路が高くなることが多いようです。ただし、家を建てる前に【盛り土】をしておくと、庭よりも道路のほうが高くなってしまうということが少なくなります。道路から浸水する不安、近くを通る自動車などからの排気ガスの流れを考えても、住宅敷地は道路より高い位置を保ちたいものです。
さらに、地面に設置することが多いエアコン室外機をはじめ、エコキュート・エネファームなどの室外機・熱源機・貯湯タンクなども、周辺よりも高い位置に設置できることから、結果として主に屋外に設置するエアコン室外機や給湯器等の設備機器への浸水リスクが減る可能性が高まります。
○【高基礎】にはさらにメリットがあります。床下に広い空間ができるので、適切な設計をすることで、床下の換気がよくなり、地面からの湿気も床に届きにくくなります。これにより、水分による建材の劣化を防ぎ、防カビ効果も期待できます。床下に収納空間を作って、空間の有効利用をするのもいいですね。
このように「安心」を目指して家づくりをすることで、あわせて暮らしやすさも実現できることになります。「快適な暮らし」と「安心」とは、考え方の違いであり、実のところそれぞれの対応策には大きな違いがあるわけではありません。
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