住宅関連記事・ノウハウ
2025年11月29日(土)
家はわが人生を守ること?自身に合った家とは
はじめに
住まいとはその人、その家族が生きて来た証と、さらにはそののちの人生を考えることではないのでしょうか?長年にわたってそのような想いで家づくりのお手伝いをさせて来ました。
今こうして住まいのコラムを発信させていただけるのもそうした人々の生の人生を見せて頂いたおかげと心より感謝しています。
犠牲者が5万人に迫るトルコとシリアの大地震に絶句
その破壊の凄まじさに驚き、毎日更新される犠牲者の数とその暮らしの変容に、安心の家をつくっている職責からも身に詰まされるのです。
この不可抗力の不運な天災とは違って、あの直前までの人々の息遣いが感じられる集合住宅の家々の暮らしを、一般市民標的の攻撃で一瞬にしてまるでジオラマの断面のように家の中を晒してしまった、ロシア人の残忍な卑劣さを世界に晒す結果となってしまったのです。しかも世界は一斉に軍拡に走り、この先彼らは世界の人々から、いかほどの憤りと憎しみを担うことになるのでしょう。
今まで耐震・耐久そして省エネの住まいの「安全安心」思想はこの僅か数年の間のコロナ禍とこのロシア侵攻、さらに避けられない地が裂けるほどの巨大断層地震から、もはや「安心」の言葉は家づくりの現場では安易に言えない諦めの境地に突き落とされたようです。
まずはわが身を守ること
実際にこうした巨大地震が起こりその惨状を見るにつれ、すぐに今の家を建て替えようとか、耐震強化を考えてしまいます。しかしちょっと冷静に考えて見ますと、これらの信じがたい災禍から見るとすべてはわが身の安全を確保することが最重要ではないでしょうか。
家を守ることよりもまずはいかにわが身を守るかです。
あの阪神大震災の揺れでも多くの古家に住む人が助かっているのです。ちょっとした方杖(ほおづえ)や添え木などの補強で倒壊から免れてもいるのです。少なくとも逃げる時間を稼げることができたのです。



今の家の一階の平面図の壁を太いマジックなどで黒く塗って、目を細めて見て“診”るのです。黒い壁がバランスよく配置されている家は地震に強く、片方に偏ったりしている場合はその方向に二階が落ちて来る危険が大きく避難も難しくなるのです。こうして何度も起こる災害に対し、筆者は “わが身を守ることの重要性”を訴えて、『地震から生き延びることは愛』(文藝春秋:2005年)なる著書を出したのです。いかに生き延び、家族を、人を、街を救うかとの想いでした。

家族を守るシェルターから身を守る「減災」のシェルターづくり
あの阪神大震災の揺れから既に28年になります。1月17日の早朝一瞬にして6500人以上もの犠牲者を出したのです。倒壊による圧死とその火災の被害で、耐震強化が叫ばれたのです。しかし同時に救助や消火活動さらには避難生活支援などのソフト面の不備があったことも問われているのです。
しかし実際にはトルコ大地震のような大地が4、5メートルもずれる断層地震や想像を絶するハリケーンや津波さらには侵略の空爆さえも起こり得るのです。こうして今も遅れている災害復興や防災強化どころか今度は再軍備までとなっているのです。これらに対しても、もはやハードのシェルターではなく身を守るソフト、すなわち「減築」「減災」の知恵が必要となっているのです。
ケンタッキーに住む筆者の友人は家を建てる際、最悪の竜巻に備えてまずは地下をつくり、わが身を守ることを考えたと言っているのです。残念ながらこれからはそんな時代なのかも知れません。
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